文学フリマ東京38(流通センター開催最終回)のカテゴリー配置について

2024年5月19日(日)開催の文学フリマ東京38は、流通センターでの開催が最終回。
(次回、文学フリマ東京39は東京ビッグサイトへ会場を移しての開催です)
そして、入場料が初導入される文学フリマ東京という面でも、(良くも悪くも)関心が集まっているんじゃないでしょうか?

……まぁ、そんな事情はさておいて、今回もWebカタログをもとに、カテゴリー配置の塗り分けと考察をやってみました
印刷しやすいPDFデータもBOOTHにて無料配布しておりますので、よろしければご活用ください!

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まずは小説/評論・研究/ノンフィクション/詩歌の大分類

小説は第一展示場・第二展示場両方にまたがる、3フロアでの配置です。
フロアごとに細かいカテゴリー分布があるので、「このジャンルの作品を探したい!」というのが決まっているなら、闇雲に歩き回るよりもカテゴリーで探して目星を付けたほうが良さそうですね。

評論・研究は今回、第一展示場で完結しています。
このなかに、ぎゅぎゅっといろいろなジャンルが詰まっております。

ノンフィクションは第一展示場がメインです。
第二展示場2階に配置されている方は、合体配置の都合でそうなったのかなと思われます。

詩歌は第二展示場2階がメインです。
第一展示場および第二展示場1階にいらっしゃる方は、こちらも合体の都合かなと思います。

出店数は小説が半数を占める

Webカタログのカテゴリ別出店数を計算すると

  • 小説…885
  • 評論・研究…289
  • ノンフィクション…415
  • 詩歌…277

小説が半分くらいなんですよね。

文学フリマ東京38のカテゴリー(大分類)の割合

※開催案内ページにある出店数と、Webカタログから数えた出店数がどうしても合わないんですが……
参加確定後にキャンセルした出店者が、開催案内の出店数には含まれるがWebカタログには記載されていないせい?
私が数え間違えている???

どの開催地域でも、基本的には小説カテゴリーが1番多いのですけれど、評論・研究の割合が東京は他地域と比べてちょっと多い感じです。

第一展示場の出入口側壁ブースは企業系多め

第一展示場の出入口側壁「A」ブースは、印刷所や出版社、小説を書く人を対象にしたサービスを提供する企業の出店が目立ちます。

しまや出版大陽出版で同人誌を印刷する方もいらっしゃるでしょうし、小説家になろうpixivで小説投稿されてる方、メロンブックスに委託している方もいるでしょう。

そして、新潮社丸善ジュンク堂の出店もあります。(……賛否が分かれる出店者属性)

小説カテゴリーの詳細

小説に属する細かいカテゴリーを見ていくと

  • 純文学…129
  • エンタメ・大衆小説…159
  • SF…37
  • ミステリー…25
  • ファンタジー・幻想文学…104
  • ホラー・怪奇…22
  • 妖怪・もののけ…4
  • ライトノベル…37
  • 児童文学・絵本…35
  • 恋愛…25
  • 青春・学園…14
  • 百合…18
  • BL…50
  • 歴史・古典…20
  • 短編・掌編・ショートショート…89
  • アンソロジー…34
  • 海外文学・翻訳…14
  • 戯曲・シナリオ…10
  • SNS・ブログ…2
  • その他…57

という出店数でして、エンタメ・大衆小説、純文学、ファンタジー・幻想文学がトップ3
(100を超える参加者がいるのでカテゴリーだけでなく、作品傾向や代表作品などをアピールしないと差別化が難しく、周りに埋もれて素通りされやすくなる……)
短編・掌編・ショートショートがそれに続き、あとはその他を除き、出店数50以下でした。

評論・研究の詳細

評論・研究のカテゴリーは、出店数の分母はそんなに大きくないですが、いろいろなジャンルがひしめき合っている印象です。

  • 文芸批評…19
  • 文化研究…25
  • 現代思想・哲学…13
  • 社会批評・政治経済…10
  • 出版…9
  • SF…8
  • ミステリー…15
  • ファンタジー・幻想文学・怪奇文学…3
  • アニメ・マンガ・ゲーム…26
  • ライトノベル…3
  • サブカルチャー…32
  • ジェンダー・LGBTQ…10
  • ネット文化・SNS…3
  • メディア…3
  • アイドル・芸能…4
  • 映画…13
  • 音楽…9
  • 美術…4
  • 建築・都市計画…12
  • 演劇・戯曲・演芸…6
  • 食文化・料理・グルメ…19
  • ファッション…1
  • 技術…1
  • のりもの・交通…4
  • 都市伝説・超常現象…3
  • 郷土…3
  • その他…31

お堅い印象のカテゴリーもあれば、娯楽コンテンツがらみのものもあり、バラエティ豊か。
「文化研究」「アニメ・マンガ・ゲーム」「サブカルチャー」が出店数20を超えていますが、あとはそれ未満で、一桁台のカテゴリーもあります。

ノンフィクションの詳細

ノンフィクションカテゴリーは「エッセイ・随筆・体験記」が圧倒的ですね。

  • エッセイ・随筆・探検記…304
  • ルポ・ドキュメンタリー…10
  • 旅行記…31
  • インタビュー…2
  • 雑誌…17
  • 写真・映像…15
  • 動物・ペット…1
  • 出産・育児・教育…1
  • アウトドア・釣り…1
  • 郷土…8
  • その他…25

「何か書いて自分も出店側になってみたいな」って思ったとき、エッセイ系は結構書きやすいですし、多くの人の興味・関心を引く、共感されやすいテーマだと予想外に売れて「バズり」も起きやすいのかなと思います。
このカテゴリーでの出店者から、商業誌デビューされた方も結構いらっしゃるんじゃないかな?

詩歌の詳細

詩歌はテーマというより、表現形式でカテゴリーが分かれているんですよね。
(テーマや作風でもっと細かくカテゴリーを作ることもできそうですが)

  • 現代詩・散文詩…90
  • 俳句・短歌・川柳…124
  • 定型詩(俳句/短歌を除く)…3
  • 朗読・歌唱…2
  • イラスト・写真…40
  • 批評・研究…1
  • その他…17

スタンダードな表現形式といえる「俳句・短歌・川柳」「現代詩・散文詩」がやはり多いです。

文学フリマ東京38でのお買い周りに役立てば幸いです

読酌文庫は文学フリマ東京38へは出店しないのですけれど、なんやかんや開催動向は気になるので今回もカテゴリー塗り分けをやってみました。
回を重ねるごとにどういうやり方がいいか分かってきたので、文学フリマ東京37のときよりもスムーズにできた気がします。

今後も余裕があればやっていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
機会があれば、小説『はなり亭で会いましょう』もお読みくだされば幸いです。派手で突飛な展開はありませんが、刺さる人には刺さる、じんわり温かいお話が書けたと思っています。(Kindle版もあります

また、読酌文庫は2024年5月12日(日)の関西コミティア70(インテックス大阪)へサークル参加します。
「K-45」(出入口に結構近い)でお待ちしておりますので、参加予定の方はお声がけいただけると嬉しいです!

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