入場料が導入される文学フリマ東京38に寄せて
かねてより告知されていた、文学フリマ東京の入場料有料化。
2024年5月19日(日)開催の文学フリマ東京38より、これまでの入場無料スタイルから、有料が取られるイベントに変わります。
なお、今のところ入場料が必要なのは文学フリマ東京のみで、他地域開催の文学フリマについては従来通り入場無料のようです。
そんな、入場料が導入される文学フリマ東京がいよいよ来月となりましたので、個人的に思っていることを書いてみました。
広告個人的には有料化も必要な流れと思っている
私個人の意見としては、イベントが成長し、規模が大きくなればさまざまなリスクも増えるため、その対策として経費がかかるから入場料の導入も必要な流れだと思っています。
とはいえ、参加される方々は、いろんな思いがあるでしょうね……。
これまで文学フリマは一般入場(作品を販売しない、買い物目的の来場)は無料でした。
これは他のイベントとの差別化ポイントだったと思います。
一般的な同人誌即売会イベントでは、一般入場にあたってパンフレット購入(またはそれに変わるチケット購入)が必要なケースがほとんどです。
(コミックマーケットに有料チケットが導入される前も、サークル数が膨大なため事前リサーチにカタログ購入が必要と感じました)
だから、文学フリマでは「無料で入場できるからヒマなら来てね」「何かのついでに寄るのでも大丈夫よ」って、出店側は宣伝できたんですよね。
しかし、イベントが認知されて盛り上がり、来場者も増えて規模拡大が続く状況から、一般来場者にも費用負担いただく流れとなったわけです。
有料化に対しては否定的・批判的な意見もいろいろなところで見られました。
「気軽に立ち寄れるイベントでなくなり、参加者が減るんじゃないか」
「有料化するなら参加する気になれない」
「そうまでして規模を拡大したいのか」
などなど……
一方で、それもやむなしとする肯定的な意見もあるんですよね。
「本気で買い物したい人だけが来るようになるんじゃないか(冷やかしが減る)」
「イベントの安全性・快適性を担保する費用に使うなら必要な措置ではないか」
私はどちらかというと、こっち寄りです。
イベントの成長≒規模拡大だと思う
規模がどんどん拡大して、もっと大きい会場を求めて……というのは、イベントが成長・成熟する流れにおいて自然なことだと思います。
需要がある以上、人が集まる以上、それに対応する形で規模が拡大されるのは止められないでしょう。
そして、その拡大がイベントの成長を伝える、わかりやすい指標になります。
「まったり・ゆったり回れる規模感の頃が良かったなぁ」ってのもわかるんですれど、多分その状態をキープするのは無理なんじゃないかな? って思うんですよ。
だってもう、文学フリマはイベントとしての認知度が随分高まっていますし……
有名な方もどんどん参加しているわけで……
文学フリマから商業出版に羽ばたく方も続出しているわけで……
となれば、そうした著名作家を目当てに一般来場者も増えるのは想像に難くなく、大きいハコ(会場)を用意しないといけません。
小さいハコのままで規模を一定に保つのも選択肢だとは思いますが、そこに参加者が殺到するのも危険です。
出店者は上限を設けて制限できますけど、当日やってくる一般来場者の数については、相応のキャパシティあるハコでないと問題を誘発するでしょう。
入場制限をかければ一般来場者が会場に入る人数をコントロールできるかもしれませんが、そこに人員を割かねばならず……
だったら、大きいハコにして、余裕を持って来場者が入れる状態を作った方が、安心・安全だと思います。
だから、イベントが成長する以上、規模は拡大せざるを得なくなるし、それに応じたハコに移ることで諸費用も変わってきて、それをどこが負担するのかって話になると……入場料を取るってのは1番わかりやすいと思うんですね。
関東で新たな文学フリマが発足すればいいのに
文学フリマ東京は年2回開催で、他地域と比較して断トツの規模です。
(次点の大阪とは出店数の桁が違います……まぁ、大阪もいずれ4桁になるでしょうか……)
だから、関東にお住まいの方が文学フリマに出ようと思うとき、まずは文学フリマ東京になっちゃうと思います。
ただ、文学フリマ東京は既にイベントとして巨大化しており、気軽に参加できなくなっている部分はあるように感じています。
(大阪・京都もそこそこ大きくなってきているので、文学フリマ東京の様子が未来像なのかなぁと思ったり……OMMがキャパ的にそろそろ限界じゃないか……? 出店4桁規模になったらさすがに移らないと無理じゃないか?)
なので、もう少し小規模で「まったり・ゆったり」参加できる感じの文学フリマが関東に必要なんじゃないかと思うんですけど、どうでしょうね?
文学フリマ前橋よ、カムバック!
第四回がコロナ禍により中止されて以来、音沙汰ナッシングで悲しい……
福本カズヤさんの書かれたnote「我々には『文学フリマ横浜』が必要なのではないか?」も全面同意です!
来たれ、文学フリマ横浜!
埼玉や千葉も会場の選択肢があるように思うんですが(その手の事情に明るくないのでイメージですけど)どうでしょうか?
あとは、当該地区の有志が立ち上がって「文学フリマ○○」の事務局ができれば……なんですけど、まぁ、なかなか都合良く有志は現れないですよね。
(私? 私は、京都住みですし、おすし……)
東京があるからもう要らない?
東京と比べたら小さいから人が集まらない?
いやいやいや、文学フリマ百都市構想を考えるなら、関東にももっと開催地が増えてもよいのでは?
もしも、東京以外の地域で文学フリマをやってみたいという有志の方がいて「でも、文学フリマ東京があるから、この地域でやる必要ないよね?」みたいな理由でためらわれているのなら、ぜひ一歩を踏み出してほしいです!
東京と比べる必要はなくて、その場所で小さなスタートを切ることに意味があるんじゃないかなって思います。
東京以外の関東地方で文学フリマが立ち上がったら、私も遠征したいです。
(東京は東京で遠征しますけどね! 雪辱は晴らさないと気が済まないタチなので……)
その他のテキスト系イベントにも期待したい
文学フリマとは切り口の違う、他のテキスト系のイベントにも期待したいですね。
情報系だとおもしろ同人バザールさんがイベントとして成熟している印象ですが、小説やエッセイ、詩歌などにスポット当たる場所ができれば、文学フリマとはまた違う表現の場としてバリエーションができると思うんですよ。
テキストレボリューションズさんは2021年にオンラインイベントをされて以来ストップしている状態でしょうか?
オンライン開催のテキレボEX2ではお世話になりました。
オフライン開催も再開されたら、お邪魔してみたいなと思ってたんですけど……やってくださらないのかな?
2025年1月5日(日)に2回目の開催を予定されているもじのイチさんは、新興テキスト系イベントとして、ぜひとも頑張っていただきたい!
2025年の開催については、遠征できたらなーって計画立ててます!
あとはジャンルオンリーイベントや小規模なオールジャンル同人誌即売会、pict SQUARE・ピクスペなどのオンラインイベント、委託系イベントが候補でしょうか?
ジャンルオンリーの場合、そのジャンルに関するテキスト系コンテンツがあれば参加できますし、読酌文庫は関西めしけっとさんに参加したことがあります。
めしけっとさんとよく併催されている旅チケットさんも、旅行記とか書かれる方ならマッチするでしょう。
ほかにもジャンルオンリーなら、規模は小さくとも活動内容がハマればよい活動の場になると思うんですが、いかがでしょう?
オールジャンルだと基本、版権二次創作が目立つので、一次創作のテキスト系が活躍できるかというと……参加者層によっては厳しいところではあります。
でも、私は個人や有志グループが開催しているイベントは応援したいので、都合が付けば近隣地域のイベントには参加します。
コロナ禍の影響でイベントのオンライン開催が進み、専用プラットフォームもいくつかできています。
オフラインのイベントとは空気感が違いますし、アピール方法が難しいところもありますけど、開催地を気にせず参加できるのは良いところですよね。
当日、イベント会場に張り付かなくてもよいですし。
また、委託系イベントもテキスト系や一次創作がメインなケースが多い印象です。
コロナ禍がきっかけで立ち上がった委託系イベントもありますし、展示即売だけでなく一定期間通販対応もしているイベントだと、開催地以外の方にも届けられます。
文学フリマ東京がデカすぎて、最初に参加するイベントとしては厳しいと感じるなら、こうしたイベントが選択肢になるんじゃないでしょうか。
(まぁ、一番良いのは関東でもう少し小規模な文学フリマができること、だと思いますけどね)
文学フリマ東京38の入場チケットは前売りもするみたい
有料化に寄せてあれこれ思うことを書きましたが、ここからは文学フリマ東京38の入場チケットの情報をまとめておきます。
公式発表によると、チケットの販売期間と入場料は次の通りです。
販売期間 | 入場料 | |
前売チケット | 2024年4月11日18時~2024年5月18日18時 | 1000円 |
当日チケット | 2024年5月19日11時~16時 | 1000円 |
出店者は出店料に入場料も含むため、出店者入場証1枚につき1人無料で入れます。
そのため、入場証の枚数以内の人数なら、チケット購入は不要ということに……
詳細は文学フリマの公式ページでも案内されているので、参加予定の方は事前に確認しておきましょう。
文学フリマの前売チケットはイープラスまたはファミリーマートで
前売チケットは、デジタルチケットと紙のチケットを用意しているようです。
デジタルチケットはイープラスで販売。
アプリでチケット提示しないといけない(スクショ不可)ので、当日スマホを使えることが前提条件です。
ただし、スマホだのアプリだのが使えない場合も考慮して、紙のチケットも用意されています。
こちらはファミリーマートのコピー機、またはイープラスのWebサイトで申込み、発券します。
なお、紙のチケットを利用する場合は、入場料に所定の発券手数料が上乗せされます。
また、会場付近のコンビニでは発券対応していないとのことなので、事前に発券を済ませないといけません。
もしも発券しないまま会場へ来てしまうと「前売りでチケットを買ったのに入れない」という悲劇が……まえもって準備しないといけませんね。
文学フリマの当日チケットは会場の販売窓口またはイープラスで
開催当日、会場に販売窓口を設けて当日チケットを販売するとのこと。
支払いは現金のみだそうなので(文フリ出店者さんもほとんど現金のみなので、来場者さんは現金を十分な額用意すると思うけれども)注意しましょう。
当日チケットもイープラスで購入できるので、スマホを使えるならそちらの方が便利そうですね。
18歳以下は文学フリマ東京38も入場無料!
有料化の救済策として、18歳未満は無料となるようです。
これは若年層にはありがたい措置ですね。
(まぁ、昨今どの世代も手取りの少なさを嘆いている人は多いわけで、19歳以上で入場料1000円が痛い人は他にもいるんだけれども、それでも……ね)
ただし、年齢確認される可能性があるようなので、18歳以下の方は写真付きの身分証明書を持って行きましょう。
16:30以降は文学フリマ東京38も入場無料!
終了時間が近づく16:30以降は入場無料とのこと。
当日予定があって、ギリギリの時間ちょっと見るだけになるかもって方にはありがたい措置じゃないでしょうか。
もし、用事が早く終わったらイープラスで当日チケットを……と、直前の選択もできそうです。
さて、文学フリマ東京の入場有料化はどんな影響が出るか?
文学フリマ東京38で入場料が導入された結果、どのような影響が出るかはフタを開けてみないとわかりません。
なので、5月の文学フリマ東京38には、いつも以上に注目しています。
私は参加しないんだけどね……
いつか、文学フリマ東京へ捲土重来するとき(2025年5月くらい?w)に備えて注視しています。
この反応がビッグサイトに移る文学フリマ東京39での入場料やチケット販売方法にも活かされるでしょう。
また、他地域の文学フリマが入場料を導入する際にも、モデルケースになってくると思います。
だから、文学フリマ東京38は入場料導入の試金石になるのは間違いないはずです。
そんなことを考えながら、私は2024年5月12日(日)開催の関西コミティア70に向けて、マンガ原稿を進めております。
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