【文学フリマの楽しみ方】一般来場編2・イベント当日とその後について

2023-01-09

「文学フリマに興味があるけれど、行ったことがないから何を準備すればいいか不安……」
という方の参考になるよう書き始めた「文学フリマの楽しみ方」シリーズ。

今回は一般来場時の当日とその後のことについて書いております。

事前準備や当日の持ち物については「一般来場編1」で紹介してますのでそちらをどうぞ。

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文学フリマ当日の楽しみ方(基本は自由にのびのびと)

「これが楽しみ方のルールです」みたいなのは基本ないです。
もちろん常識に外れた行動は嫌われますが、一般常識にのっとった行動であれば問題に遭遇することもないと思います。

それを踏まえて、当日はこんな楽しみがあるよ、こういうのは気をつけようね、というものを紹介します。

楽しみ方1:見本誌コーナーを活用しよう

文学フリマには出店者さんが任意で提出した見本誌を集めたコーナーがあり、そこでは自由に見本誌を読めます。
一時期は感染症拡大への懸念により、見本誌コーナーがなくなっていましたが、最近は復活しています。

出店者さんのブースでも、手に取って中身を見せてもらえるケースがほとんどなのですが、本人の前だとちょっと……というのもあるでしょう。
見本誌コーナーなら、出店者さんに気兼ねせず、自由に立ち読みできます。

「会場に足を踏み入れたけど、どこから見ればいいかわからない!」
というような場合も、ひとまず見本誌コーナーで気になったものを見てみましょう。

見本誌には当日の出店ブースナンバーやサークル名が掲載されているので、じっくり読みたい本が見つかれば買いに行けます。

ただ、見本誌コーナーに置かれていない本もたくさんあります。
見本誌に出せるのは各出店者3種まで。
色々な本を出されている出店者さんだと、見本誌に出していない本のほうが多いこともあります。

読酌文庫も2020年に初めて出店したときは「はなり亭で会いましょう」「にほんしゅもんだい」「にほんしゅにっき」というラインナップでしたが、回を重ねるごとに並べるものが増えてきました。

見本誌に出されているのは「そのときの新刊」「その出店者が一番推したいもの」「代表作としているもの」が多いと思います。

楽しみ方2:出店者さんとコミュニケーションを楽しもう

……コミュ障勢にはハードルの高い楽しみ方だと思いますが、作者と直接交流できるのも文学フリマの醍醐味。
もちろん、無理に話しかける必要はありませんし、サッと本を買ってその場を離れても構いません。

でも、見本誌コーナーを見てビビッと来て買いに来たなら「見本誌を見ていいなと思ったので……」とか言ってもらえると、ほとんどの出店者は狂喜乱舞します
あるいはWebカタログやSNSの告知を見ていて「これを買おうと思って今日は来ました」とか言ってもらえたら、作者冥利に尽きるというか、天にも昇る気持ちというか……

事前情報ナシでも、なんとなくブースに立ち寄って見てみて「自分も○○好きなんで……」とか言いながら買ってもらえると、直前まで原稿が修羅場っててライフが0になってたとしても、息を吹き返すかもしれません。

自分の表現したものを発表する場として出店者は参加しているので「これがほしいです」と言葉をもらえると、すごく嬉しいしやる気が出るし、人によっては活動休止を取りやめるくらいの勢いで元気づけられる……。
なので、余裕があれば出店者さんとのコミュニケーションも楽しみましょう。

楽しみ方3:無料配布ものも面白い

文学フリマでは有償頒布している発行物だけでなく、発行物の紹介やちょっとした読み物などのフリーペーパー、出店者の名刺、ショップカードなどを配布しているところもあります。
本を購入するとノベルティとして、しおりやポストカードを付けるところもあるでしょう。

今回は購入を見送っても、もらったペーパーを後で見返して気になってくる……なんてこともあるんですよね。
あるいはシリーズものの1巻をとりあえず買ったけど、読んでみたらすごく好みの内容で、続きも買いたいなってときに、フリーペーパーに次回出店予定や通販情報が載っていたら朗報ですね!

そんなわけで、無料配布されていて「どうぞ」と差し出されたものは、ぜひ持ち帰って目を通してほしいなと思います。
(もちろん断るのも自由ですから、絶対に受け取れとは言いませんが)

楽しみ方4:お目当て以外も見てみる

会場滞在時間が限られていて、目当てのところだけササッと買いたいなら無理にとは言いません。

でも、もしも時間に余裕があるなら、事前にチェックしていたお目当てのブース以外も見て回ると、意外な発見があることも。

カテゴリ外の作品も並べている出店者さんもいるので、興味のないカテゴリのエリアでも収穫があるかもしれません。
出店者さんによってはWebカタログへの情報登録ができていないケースもありますしね。

余裕があるなら隅々まで見てみて、気になる作品を探してみましょう。

気をつけたいこと1:出店者さんの迷惑にならないように

出店者さんのブースに立ち寄り、頒布物を手に取るときは丁寧に扱いましょう。
また、購入するときにカバンや財布を机の上にドカッと置かれたり、頒布物の上にドンと置いたり……
そういう風にされると、立ち寄ってもらえて・買ってもらえて嬉しいけれど、悲しい気持ちにもなります。

机の上に並べられている頒布物は、どれも出店者さんが一生懸命作ったものです。
できるだけ多くの人に見てほしいし、いい状態で購入者にお渡ししたいもの。
それを粗雑にされてしまうと……本人にそのつもりがなかったとしても悲しくなります。

それから、周辺の出店者の邪魔になる行動も注意です。

足を止めて、じっくり手に取って頒布物を見る、出店者さんに話しかけるなどの場合、必ずその出店者さんのブース正面で行なってくださいね。
お隣のブースにはみ出すように立ち止まり、頒布物を手に取ってしまうと……お隣さんに対しての妨害行為となってしまいます。

もしもはみ出しを出店者さんに注意されたら、素直にしたがってくださいね。
お互いに譲り合い、気遣い合い、気持ちよく楽しみましょう。

気をつけたいこと2:欠席・遅刻・早退となる出店者さんもいる

やむを得ず参加を取りやめる出店者さんも中にはいます。
あるいは出店しても、都合により遅刻や早退となる方もときにはいらっしゃるでしょう。
理由は家庭の事情だったり交通機関の都合だったり色々です。

だから、お目当てのところがいらっしゃらなくても、出店者さんを責めないでください。
「あんなに大々的に告知していたのに欠席なんて無責任!」
「こっちは交通費払ってイベントに行ったのに、早じまいして返るとか何様なの!?」
……なんて発言を見たり聞いたりしてしまうと、とっても辛いです……。

イベントとしてはプロ・アマ問わず、出店者が自由に発表する場であって、購入者への頒布を約束する場ではありません。
数人のグループで出店している場合は、誰かが不在になっても当日の出店に影響しないこともありますが、1人で活動するワンオペな出店者も珍しくないです。

かくいう読酌文庫も基本ぼっちなもので……
お手伝いしてくれる人を呼べないときも多く、離席中に訪問者がいたら申し訳ないなーって思いながら当日対応しています。

気をつけたいこと3:お目当ての本が売り切れることもある

出店側も本の発行部数や当日の持込数に心悩ませているものです。
早々に売り切れて、ほしい人が買えないのは避けたいし、1冊でも多く売れてほしい。
でも持ち込める量には限りがある。

だから一生懸命、適正な数量を模索します。
それでも読みが外れることはあるんですよね。
それはジャンルの流行り廃りの影響だったり、ブース配置が目に付きやすいかどうかだったりで。

希望者全員に完璧に行き渡らせるのは難しいので、欠席の場合と同様、売り切れたとしても出店者さんを責めないでくださいね。

もちろん、事前に取り置きの約束をしていたのに、取り置き分を先着で販売してしまって、自分の分がなくなった、そして再販はないです、だったら問題なので、そんな場合は出店者さんとよくよく話し合う必要があると思いますが。

それ以外の場合は仕方のない出来事としてとらえましょう。
絶対に手に入れたい本があるのなら、なるべく早めにそのブースを回って買ってしまうのがおすすめです。

文学フリマが終わったら?

さて、文学フリマに遊びに行って、無事に帰ってきました。
その後は何をすれば良いでしょうか?

手に入れたものを楽しもう!

何はなくともやっぱりコレでしょう?

文学フリマで手に入る本の多くは、一般の書店などには並んでいません。
(プロ作家さんが自著商業誌を販売しているケースなんかもあるけれど、それは一部の話)

だから、今日参加した文学フリマで購入しなければ、二度と手に入らない本かもしれないんです。
気まぐれに書いてみたお話で、10冊しか作ってないコピー本で、ネットでの活動も基本的にやってない、なんて出店者も居るんです。

縁あって出会えた希少な作品かもしれないので、じっくり楽しみましょう。

感想を書くのもおすすめ!

SNSやブログなどで買った本の紹介や感想などを書くのもおすすめです。

エゴサする出店者は結構多いと思うんですよね……
ちなみに、文学フリマで購入した本を報告・紹介・感想を述べる場合のハッシュタグは「#文学フリマで買った本」が推奨されています。

かくいう私も、ちょいちょい作品名で検索かけては、感想が投稿されていないか探しています。見つける度に、執筆の原動力になっています。
読んでくれてありがとう!

「あ、この人、私の本買ってくれたんだ!」
「勢いだけで書いた話だったけど、ちゃんと読んでくれた人いるんだ!」
「この部分書くときすごく迷ったけど、書きたかったことが伝わってて良かった!」

感想を見つけると、自分が発表したものが一方通行ではなくて、誰かのところに届いたと実感できます。

しっかり読んでの感想も嬉しいですが、「これ買った」「おもしろかった」のひと言でも嬉しいです。

あと、本の紹介や感想の投稿は作者に伝わるだけでなく、その他の人にも伝わる可能性があります。
自分が読んだ作品を周りに紹介できる。
自分の感想から、その作品に興味を持つ人が出てきて、新しい読者になるかもしれない
自分が「これがよかった」と言ったことからさらに評価が高まって、推したい作者を一緒に推してくれる人が増えるかもしれない……

文学フリマで購入したもの、もらったものを見て・読んで、余裕があればぜひ感想も書いてみましょう。

文学フリマに行く時、これって大丈夫?

こんなことして大丈夫かなって気になることなども少々書いておきます。

手に取った本は買わないとダメ?

ブースに行って頒布物を手に取って見せてもらったけれど、なんか思ってたの違ったな~、今の持ち合わせを考えると買うのはしんどいな~……なんてこともあると思います。

そんなときは無理に購入しなくても構いません。
出店者側もいちいちそれを咎めることはないでしょう。
(もちろん、内心では「お気に召さなかったか(´・ω・`)」って大なり小なり思いますが)

不本意な買い物をして、読まれないまま本がしまい込まれてしまうとか、買わなくても良かったかもとモヤモヤした気持ちを持たれてしまうのは、出店者も望んでいません。
出店者としては自分の頒布物が売れるのも大事ですけど、それを楽しんでほしい気持ちもあります。

納得できるお買い物をして、ポジティブな感想を伝えられるようにしましょう。

お札で支払ってもいい?

購入時には小銭でぴったり出してもらえるとありがたいですけど、出店側もおつりは用意してきているので、お札での支払も大丈夫です。

ただ、5千円・1万円の高額紙幣だと、出店者によってはおつり不足に悩むことも。

特にイベント開始早々、安価な購入で1万円札をポンと出されると……
それが何人か続いたりすると……
焦る出店者さんも居ると思います。

そういう事情もあって、こうしたイベントへ遊びに行くなら小銭を用意していくと良いよと言われているのです。

キャッシュレス決済してほしい

キャッシュレス決済便利ですよね!
でも、文学フリマなどのイベントでは対応していない出店者さんのほうが圧倒的に多いです。
だからごめんなさい……イベントでは現金が最強です。

そんなわけで、普段財布に現金を入れない主義の方も、この時ばかりはスムーズに楽しむために現金を用意してください。

出店者さんに話しかけてもいい?

基本的に話しかけられて嫌な方は居ないかなと思います。

ただ、長々と話し込んだり、作品やイベントのことと関係ない話をしたりは注意しましょう。

お話ししている間、ほかの参加者への対応ができなくなってしまいますし、買い物に来た人も「今はお話されてるから後にしよう」となって、最悪買い逃されてしまうかも?

顔見知り同士なら、関係のないおしゃべりもすると思いますが、そうでない場合の関係ない内容のお話はご迷惑になることもあります。
「どこに住んでるんですか?」「一緒に帰りませんか?」「ごはん行きませんか?」……といった話をイキナリされても困惑されるでしょう。

純粋に仲良くなりたいのだとしても、迷惑行為になってしまいます。
話しかけるなら作品やイベントに関する内容で、程よいタイミングで切り上げるを心がけましょう。

作家さんにプレゼントを渡したい!

差し入れをいただけるのは嬉しいです!
……でも、ものによっては困ってしまうので、プレゼントの内容は注意しましょう。

  • 高価なもの
  • 冷凍・冷蔵保管しないといけないもの
  • 極端に重い・大きいもの
  • 取扱注意な品物
  • 法律に引っかかるもの

いくら作品を気に入ってくださった方でも、宝飾品とか、タワマンの高層階の一室とか、鉱山とか、油田とか贈られても困ります……
アイスクリームとか、ショートケーキとか、フルーツとか、美味しいですけどイベントでお渡しするには不適切。
重い・大きいものも持って帰るのに困りますし、割れ物とかも持ち運びに気を使うので避けてほしいですね。
そして、法律的にダメなやつも……これはいうまでもないですが。

プレゼントは「相手の負担にならないか」を重視して考えましょう。

十四代の一升瓶とかプレゼントされたら嬉しいですけど、今じゃないよな~って…。
もう少し違うシーンでもらえるなら、心の底から喜べるんですけどね。

ブースの写真を撮りたい!

後で感想を書くときに写真も載せたいとか、今後自分が出店する場合の参考にしたいとか、ブースの写真を撮りたいなって思う人も居るでしょう。

そのときは、撮る前に出店者さんの確認を取ってくださいね。
人によってはNGということもありますし、顔が写らなければOKとか条件を出されることもあります。

勝手に撮影してネットにアップしちゃうと、肖像権等々でトラブルになる可能性も。

写真を撮りたいなら、何の目的で撮るのかを明かし、必ず出店者さんの許可を得ましょう。

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