飲み切りサイズを飲み比べ:出羽桜・八海山・ふなぐち菊水
2020年2月末、某ビールだか、暖房機器だか、ホテルだかにも風評被害をもたらし、世界を混乱に陥れんとするウイルスの影響を懸念して、相次ぐイベントの延期・中止情報。
悲しい、悔しい、寂しい。
しかし主催側は色々と準備をしてこられたなか、苦渋の決断だったことでしょう。
イベント企画会社の経済的損失もつらい……。
そして楽しみにしていた一般参加者としては、お楽しみを取り上げられてしまったわけで……
でもこればかりは仕方がない。誰かを責めても辛いだけ……
ならば! と、せめてもの慰めに、今宵は仕事帰りに立ち寄った成城石井で見つけた、飲みきりサイズの新潟酒および山形酒で、心を癒すことにしてみました。
[sakepost-2]
今夜の飲み比べ: 八海山(新潟)、ふなぐち菊水(新潟)、出羽桜(山形)
以上の3点、仕事帰りの成城石井で見つけました。
いずれも180~200mlの飲み切りサイズ。3つ買っても1000円で収まりましたよ。
4合瓶のお酒、好きなんですけどね…… 売ってる場所の問題もあって、 人にオススメするのが難しいんです。
その点、このサイズでスーパーやコンビニでも取り扱ってる銘柄なら、オススメもしやすいだろうと考えまして、飲み比べて紹介したらいいのではないかと思ったわけです。
日本酒選びの参考になれば幸いです。
出羽桜 吟醸酒(出羽桜酒造/山形県)
- 180ml入りアルミ缶
- アルコール度16度
- 精米歩合50%
香りの第一印象は、甘く華やかな吟醸酒らしい香り。いかにも「酒」という感じの、アルコール感が強い臭いはありませんでした。
そして口に含むと、華やかな香りとは裏腹にスッキリとした飲み口で、さりげない甘さというか旨味の余韻があります。華やか系吟醸酒にありがちな(?)べたつく甘さはなくて、とても飲みやすい。
これは食中酒として優秀ですね! 料理を選ばずにスイスイ飲めて、なかなか危険なヤツ。
なお冷暗所で長期保管することで、オリジナルの吟醸古酒も楽しめるという仕様。その際は開封せず、なるべく光が当たらないよう新聞紙に包むなどして、冷蔵庫保管がマストなようです(缶記載情報による)
日本酒に興味あるけど、何から飲んでいいかわからない人も、こういうお酒から始めてみるといいかもしれないと思いました。
新潟清酒 八海山(八海醸造/新潟県)
- 180ml入りワンカップ(銀のシュリンクフィルム付)
- アルコール度数15.5
- 精米歩合60%
言わずもがな、新潟の有名なお酒「八海山」のワンカップ飲み切りタイプ。ワンカップでありながら、銀のシュリンクフィルムで覆い、紫外線からお酒をガードする品質保持の徹底ぶり。
出羽桜の後に飲んだこともあり「辛口ねっ!」っていう感想。もしかすると、日本酒初心者さんには「ウゲっ」って感じる系かもしれない……何となく日本酒特有の(?)アルコール感というか、お酒感みたいなのを感じる奴なので。
これは燗にした方が良いのでは……?
……と、言うわけで半分ほど飲んだあたりで、湯煎して燗にしました。
やっぱり燗にすると飲み口がまろやかというか、酒質が柔らかくなる……気がする(個人の感想です)ので、個人的には冷やすよりも温める方が美味しいお酒、という印象。
ふなぐち 菊水 一番しぼり(菊水酒造/新潟県)
- 200ml入りアルミ缶
- アルコール度数19
- 精米歩合70%
2合分飲んだ後なので、味覚・嗅覚の衰えは否めず……(普通の人なら、1晩1カップなんだろうなと思いながら)
でも、ふんわりと爽やかな香り、ジューシーでフルーティーな味を感じました。さすがは生原酒!
これは冷やしていただきたい味。
度数が高く、味も強めなので、日本酒ロックもいいですね。ソーダ割にして「日本酒ハイボール」という選択も面白い。
こちらもアルミ缶を採用。未開封なら、冷蔵貯蔵で自家熟成を楽しむのも一興ですかね。手に入りやすいですし。まとめ買いして、時間差(1か月ごととかw)で味の違いを考察するのも大人の自由研究ですね。
しかし、精米歩合70%の本醸造酒で、このフレッシュな味わいはスゴイです。大手の企業努力はやはり侮れない。
まとめ……
一般に、日本酒初心者にすすめるお酒としては「純米酒」または「吟醸酒」が推奨されるのが昨今の風潮です。個人的に、この意見も否定はしないです。醸造アルコールを使ってない純米酒は味わい深く、吟醸酒は香りが華やかで飲みやすいものが多いので。
でも、日本酒の味の判断基準を「それだけ」に固定されてしまうのも、どうかなー……って思うんです。純米酒飲んどけば間違いない、吟醸酒なら女の子にオススメ、大吟醸が一番美味しい、というような基準だけになっちゃうと広がりがないというか。
そして話題にのぼる「美味しいお酒」って、だいたい4合瓶以上の瓶入りですよね。
入門者がいきなり720ml入りを買うのはなかなか勇気がいると思うんですよ。好みに合わなくて飲み切れなかったら……と。
そして、話題のお酒はどこの店で飲めるのか、どこの酒屋で売ってるのか、身近な場所で手に入るのかがわかりにくいです。
ネット通販という選択肢ももちろんあるのですが、同じ○○という銘柄でも、磨き(精米歩合)違いだとか、酵母違いだとか、酒米違いだとかで色々リリースされていたりして、「○○」という銘柄を指定するだけでは私の思う「オススメ」を指定しきれないことも多いのです。
というわけで、日本酒に興味あるけど何から飲み始めてよいかわからない層、に対して、日本酒沼ズブズブな自分が道しるべとしてできそうなことはというと、お手軽に調達できて、冷蔵庫を圧迫しない容量のお酒について個人的見解を出してみることかなぁ……と思ったのです。
日本酒初めの参考になれば幸い。ここから枝葉を拡げるように、日本酒バーとか、日本酒を多数取り扱う酒屋さんにも訪れて、「普段××を飲むんですけど、オススメって何ですか?」みたいな感じで、各自の日本酒ワールドを拡げてほしい、と思うんです。
まぁお店の人の性格とか性質によるとは思うんですけど、たいていは「普段お好みの××」に寄り添いつつ「こんなのどうですか?」なヤツを提案してもらえると思うので……思い切ってその一本なり一献なりをを試してみることをおすすめします。
あるいは「△△(料理名)と合わせるならどのお酒がいいですか?」という聞き方もいいですね。
こんな感じで、これからちょっとずつ、手に入りやすい飲み切りサイズの日本酒を自分なりに比較・考察してみたいと思いますので、よろしくお願いします。
……オマケ情報?
今回の新型肺炎流行の影響により、中止されてしまったイベントの代替として(?)有志によるオンライン新潟酒祭が予定されています。
当日はライブ配信なども予定されているようで……こういう取り組みがあると、元気が出ますね!
これからしばらくの間は、お酒を選ぶ際に新潟酒をチェックしようかなと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません