【文字書き向け】本を作るときに使うソフトをアンケートしてみた
前々からやってみたいと思っていたのですが、X(旧Twitter)のアンケートにて、文章系作品の本を作る際に使用するソフトウェアについて聞いてみました。
いろんな方に回答&拡散いただけたようで、最終的に314票の回答が集まりました。ご協力ありがとうございます。
そんなわけで、回答をこちらでまとめたいと思います。
広告文章系作品の本を作る方へのアンケート
アンケート期間は設定できる最長の7日間としていたこともあってか、多くの票が集まりました。
投票結果は、棒グラフよりも円グラフとかのが分かりやすいかもと思ったので、スプレッドシートを使って書いてみました……
Wordが一番の多いのは、おおむね予想していた結果でした
多分Wordが1番だろうなとは思ったけど、どれくらい票を持って行くのかは読めませんでしたが……今回のアンケートでは半分以上の方がWordをお使いでいらっしゃいました。
お仕事で日常的に触れる機会が多いソフトでしょうし、趣味で本を出すにあたり、いきなり高価な専用ソフトを購入するのはハードルが高いもんです。新しソフトを購入するとなれば、使い方も学ばないといけませんしね。
となれば、馴染みのあるものを使ってはじめる方が、コスト的にも作業負担的にもやりやすいでしょう。
ただ、学生さんとかの場合、アカデミック版でソフトが安く使えるケースもあり……そういう方はAdobe系のソフトをガンガン使いこなしていらしたりもするのでしょうか?(このアンケートでは回答者の年代とかまでは分からないのですが)
文学フリマの出店者さんを見ていると、高校生や大学生のかたもそれなりにいらっしゃいますしね。部活やサークル活動の一環だったり、ゼミの発表の場だったり。もちろん、趣味でって学生さんもいらっしゃいます。
ところで、4つ目の選択肢は「その他ソフト」にすべきでは?
アンケート選択肢は最大4つ作れますが、4つ目にパーソナル編集長を入れたのは完全に私のワガママです……。
そこはオマエ、「その他」ってのを作らんと、回答する人が困るだろうよとツッコミ入るの覚悟で、敢えて入れました。個人的にやったアンケートなので大目に見ていただけると幸いです。
訳あって、テキスト系の入稿データを作る必要があったとき、たまたま見かけたパーソナル編集長なるソフトが、すごく使いやすそうだったから使い始めたんですね。付属のフォントたちもいい感じで、今も愛用しています。
ただ、購入したバージョンがかなり古くなってきて、OSとの相性もちょっと悩ましい状況です。そろそろ、最新バージョンを購入するなり、別のソフトに完全移行するか悩みどころです……
つーか、質問の仕方が悪くね?
アンケートの選択肢以前に、質問の仕方が悪かったかもしれないと途中で思いました。
- プロットやネタ出しの段階で使うソフト
- 執筆時・推敲時に使うソフト
- 入稿データを作る際に組版するソフト
- 画像を含むページを編集するときに必要なソフト
……と、文章系の本を作るときにはさまざまな作業段階があるわけで、当然作業工程ごとに欲しい機能は異なります。全部1つのソフトでできる場合もありますが、執筆スタイルとか作業環境とかによっては、段階ごとに使いやすいソフトは違うでしょう。
なのに、この問い方だと「執筆時」なのか「入稿データ作成時」なのか、そもそもわかりませんね。それゆえ、回答しかねる人もいたかもとちょっと反省しております。
各ソフトのお値段
先ほど、高いソフトは導入をためらいやすいという旨のことを書きましたが、アンケートの選択肢に出していた各ソフトのお値段は以下のとおりです。
InDesign | 月額3,282円(サブスク版のみ) |
一太郎2024 | 一太郎2024は27,500円、上位版のプラチナは47,300円(サブスク版はなし) |
Microsoft Word | 買い切り型の永続ライセンスは20,590円 (サブスクのMicrosoft 365 Personalを使うなら月額1,490円) |
パーソナル編集長Ver.16 | 19,690円(サブスク版はなし) |
InDesignは現在、買い切り版はなく、月額3,282円のサブスクのみ。PhotoshopやIllustratorなどをまとめて使えるコンプリートプランは月額7,780円……と、趣味でたまに触るにはちょっとお高い、プロ向けなソフトって感じがしますね。
Wordは単体で永続ライセンスを購入する場合20,590円ですが、お店によっては割り引かれているケースもあります。現在のバージョンは2021で、2024年後半にOffice2024のリリースが予定されているので……その時がくればまた、新しいバージョンが購入できるかもしれませんし、サブスクに切り替わって買い切り版は出ないかもしれません。(仕事で必要だったので購入したんですけど、今後どうするかなぁ、どうなるかなぁ……)
一太郎はWordと比べるとちょっと高いかもですが、ATOKの優待があって、国産のワープロソフトという点や小説執筆に強い点はなかなかに魅力的です。
パーソナル編集長はもう、Ver.16なのかぁ……
その他、文章系作品を作る際に使えるソフト
その他、リプライや引用RPにて回答いただいたソフトもまとめておきます。
テキストエディタやクラウドツール
ネタだしや執筆段階ではテキストエディタでポチポチしたり、クラウドツールにササッと打ち込んだりというスタイルの方は多いんじゃないでしょうか。
スマホやPCのメモ帳
標準搭載されているメモ帳アプリやテキストエディタは、わざわざ新しいツールを用意しなくてもすぐに使い始められて便利です。
特にスマホだと、スキマ時間に書き留めたい場合に向いていますし、最近はクラウドで簡単にパソコンと共有できます。
秀丸エディタ
秀丸エディタは歴史あるテキストエディタ。無料で使い始められますが、継続利用にはライセンス料(4,400円)の支払が必要となるシェアウェアです。
また、特定の条件にあてはまる場合、期間限定で無料利用できる秀丸エディタフリー制度もあります。
サクラエディタ
サクラエディタはWindows用のフリーで使えるテキストエディタ。シンプルでテキスト編集に特化しており、動作の軽快さも評判です。
Pages
PagesはAppleの書類作成ソフトで、MacやiPhoneに最初から入っていることも多いようです。
PDFの書き出しもできるようですが、縦書きには弱い様子。テキストエディタとして使い、入稿データを作るときは他のソフトと組み合せて、という使い方になるケースが多いのではないでしょうか。
iText Pad
iText PadはiPhone、iPad用のテキストエディタ。App Storeにて400円で購入できます。
縦書き表示や電子書籍のePubデータを開けるなどの機能を有しています。
Nola
Nolaは小説家専用のエディタツールで、Webで使えるのとスマートフォンアプリとがあります。両者は同期できるので、出先でスマホからちょこちょこ書いて、帰宅後にPC立ち上げて続きを書いて……とかができます。
そして、本文だけでなく作品ごとの設定メモとかも整理しながら書けるのが良いところ。私も最近ちょこっと使い始めてます。(まぁ、テキストエディタでも、設定用・プロット用・本文執筆用とファイルを分けて整理できますけどね)
組版したりルビ打ったり
プロットや執筆、推敲までの段階ならテキストエディタがあれば事足りるのですが、印刷用のデータを作るとなれば適したソフトが必要です。
用紙サイズを設定して、余白を設定して、フォントや文字サイズ、行送りを設定して……新書サイズやA5サイズなどの本にする場合は2段組にする場合もありますよね。人物名や地名などの特殊な読み方、「異世界」と書いて「エリュシオン」と読ませたいとか、「聖櫃」と書いて「アーク」と読ませたいとか、そんなときはルビを振りたいです!
アンケートは、おおむねこの段階で使うソフトを想定した質問でした。
縦書小説PDFメーカー
縦書小説PDFメーカーは、シメケンプリントさんが提供する無料ツールです。Web上で操作してテキストを流し込むと、縦書きのPDFデータを作ることができます。2段組にしたり背景画像を入れたりもできるようです。
「とりあえずテキストエディタで小説を書き上げたけど、入稿するときのデータってどうやって作るの?」ってときに助かりますね。なんならもう、そのままシメケンプリントさんに入稿しちゃえば、印刷所を選ぶ手間も省けてしまう!
威沙(いずな)
威沙(いずな)は縦書きのPDFを生成できるツールで、ダウンロード版とWeb版があります。文庫版だけでなく、新書版やA5・B6版にも対応。
Twitterのまとめを見てみると、何やらアツいものを感じますね……
以前からお名前は存じていた、気になるツールの一つです。シメケンさんのか威沙か、今度小説本出すときにどっちか使ってみようかなぁ……
LibreOffice
LibreOfficeはワープロや表計算、データベースなどのソフトが使えるオープンソースツールです。LibreOfficeのWriterがワープロソフトですね。縦書きやルビにも対応しています。
Wordと似た見た目なので、Wordを使いたいけれど自宅PCにはなくて……というシーンにもちょうど良さそうです。
Cloud LaTeX
Cloud LaTeXは、オンラインで利用できる編集・組版サービスです。登録すればインストール不要で利用でき、細々とした設定不要のテンプレートも豊富。
運営元が海外や個人ではなく、大学院生や研究者の就業支援をしているアカリクという企業なので安心感が持てます。
表紙などの画像
本文はできたけれど画像を含む表紙などのデータは、画像編集に適したソフトが必要です。
文字だけでも格好いい表紙は作れますけど、作品のイメージとか世界観とかをより表現したいなら、画像編集ソフトがないと難しいシーンもあるでしょう。
Canva(キャンバ)
Canva(キャンバ)はウェブ上で使えるデザインツールで、無料版でも豊富に素材を使えて表紙や扉ページに使いたい画像を作れます。
(有料版のほうがさらに素材が多いようですけどね)
表紙画像だけでなく、イベントに出るときの値札とかPOPカードとか、名刺、ノベルティのポストカードを作るのにも良さそうです。
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)
CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)イラストだけでなくマンガやアニメ制作の機能もあり、プロも愛用しているソフトです。PhotoshopファイルやCMYKでのデータ書きだしができます。
PRO版(5,900円)とEX版(24,900円)があり、年額・月額利用プランもあります。(Ver.3.0の無期限版パッケージはPRO版8,000円・EX版34,000円で販売)
表紙だけ作りたいニーズにはちょっと機能が多すぎて高価かなと思いますが、イラストやマンガを描いたり、アニメーション作りたい人ならクリスタはアリですね。
ちなみに、セルシスの株式を200株以上持っていると、株主優待としてEX版を半年間利用できるアクティベーションコードがもらえます。半年ごとに送られてくるので、200株以上保有し続ければ、株主優待制度が変更されない限りEX版が使えるワケです。
……でも200株取得にかかる金額と、EX版を購入する金額を比較すると……?
私はセルシスを応援したい気持ちもあって、株式保有してるんですけどね。
回答にはなかったけれど…同人誌表紙メーカー
同人誌表紙メーカーはウェブ上で操作でき、表紙用の素材にタイトルを入れるだけで、良い感じの表紙データが作れます。出来上がったデータは、印刷所にそのまま入稿できる仕様になっているのもありがたい。(RGBデータ不可・トンボ必須の印刷所だと使えません)
回答にはなかったけれど…不得手な分野は外注する手もある
個人で本を作る場合、本文だけ書いてりゃ良いわけではなく、組版やら表紙やら整えて印刷できる状態に仕上げないとですし、工程ごとに必要なソフトを使わないといけないしで大変です!
さらにはイベント出展への準備や事務作業、SNSでの告知などPR活動も欠かせませんし、書店委託するならその辺の準備とか……やることが、やることが多い!!!
だからいっそのこと、執筆以外の部分(本文の文字組や表紙の作成)を外注するって手もあります。
テキストデータから組版して入稿データを作ってもらえたり、表紙を作成してもらえたり……
イメージを伝えて表紙をデザインしてくれる印刷所のサービスもあります。
他にもココナラなどのスキルマーケットを探すと、組版やら表紙デザインやらを受けてくれる方が見つかると思うので、デキる人に有償依頼してしまうのも手ですね。
広告ちなみに読酌文庫の作業環境は…?
最後に、参考になるかは分かりませんが、読酌文庫が執筆時や本を作るときに使うソフトを紹介しておきます。
テキストエディタはMeryがメイン
ポチポチ執筆するときはテキストエディタを使うのですが、Meryを主に利用しています。出先など、スマートフォンからちょこちょこやりたいときは……Googleドキュメントを使い、帰宅後にパソコンへ共有。
クラウドツールとしてNolaも使い始めました
昔はEvernoteのお世話になったこともありましたが、いつしか使わなくなっちゃいましたね。今は、小説執筆や設定の整理に便利なNolaを取り入れています。
今後、小説執筆もNolaに切り替えていくかもしれません。スマホからもアプリで執筆・共有できるので、こっちの方が捗るかな~と。世界観設定とか登場人物のこととかも、Nolaで分かりやすく整理できるのもありがたいです。
入稿用のデータは現在Wordがメイン
入稿用のデータを作るときは、Wordがメインです。以前は、パーソナル編集長とよろしくヤってまして、今も完全には関係を切れてないです……
なんかWordってさ、自分が一番出来る奴ツラするじゃん?
「オマエ、こういうのがシたいんだろ?w」
とか言って、こっちが望んでない書式を勝手に持ってくるじゃん?
そーゆーの、ちょっとうざいんだよね~……
ほかは、まぁまぁ言うこと聞いてくれるのにさー……
なんでソコだけイキがってんのかマジわかんねw
しょせんアンタは、仕事で付き合いがあったから、都合良く相手してるだけだってのに、わかってないよね~……
……ってなわけで、今回のアンケートで得た情報も参考に、入稿データを作る際のソフトはWordから乗り換えようかなぁ~と画策中です。
絵を描く・画像がメインのときはクリスタ
マンガや表紙用の画像データなどは、CLIP STUDIO PAINTで製作・編集しています。株主だしね。
飲み歩き写真たっぷりな『タヌキの飲み歩き物語』もクリップスタジオペイントでほとんど編集しました。各お店の紹介文のところだけパーソナル編集長で指定サイズに収まる形で作り、Pngで書き出したものをクリップスタジオに貼り付けています。
過去にはPhotoshop Elements(ペンタブに付属してたバンドル版)とか、SAIも使っていました。
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