【ネタバレ感想】琥珀の夢で酔いましょう3巻

2024-04-02

『琥珀の夢で酔いましょう』3巻では、いよいよ白熊メンバーで協力してのクラフトビールイベント当日を迎え、4話にわたってイベントの内容が展開されます!
これまで準備してきたことがどんな結果をもたらすのか……

七菜はプランナーとしての能力を遺憾なく発揮し、料理人心に火が付いた隆一はお客さんが楽しめるよう料理とビールのペアリングを考えます。
鉄雄も知り合いに声をかけてくれてスタッフも万全。
MAKOTOはいつもの女優業とは違う出演の仕方を楽しみ……と、それぞれの個性や特技が輝いて、イベントは大成功を収めるのでした。

そしてその影響は色々なところに出始めて……という、みんなの行動が結果を結ぶ様子が見えてきて、さらに楽しくなってきます!

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第11話 十月はたそがれのビール

これまでは白熊メンバーの誰か視点で話が展開していましたが、11話の冒頭は大学生の女の子の視点で始まります。

友だちからクラフトビールのイベントに誘われ、一緒に行くことになったのですが「お酒は嫌い・ビールは最悪」と思っている様子。
さらに、土壇場になって友だちが参加キャンセルに。
2人分のチケットをどうしようかと悩んでいると、当日参加できなくてガッカリしてる風な社会人男性を見つけて声をかけることになるのですが……この男性、七菜が嫌がっていた早乙女部長で……

ここで白熊メンバーに視点は移り、七菜は店内カメラで客席の状況を確認しつつ、SNSの告知状況もチェック。
早乙女部長が女の子をともなって入る様子を見つけて「ゲッ」となります!
すかさず、この男性のハラスメントに注意して欲しいとスタッフにアナウンスを入れる七菜。

七菜の過剰反応かと思いきや、女子大生も何かと話しかけてくる男性の態度に困惑。
そこへ隆一がフォローに入り、いい具合に気遣いを見せてくれました。

そしていよいよイベントがスタート。
映像とリンクするように、扮装して声を変えたMAKOTOが白熊の店内に登場してパフォーマンスが始まります!

後ろめたい秘密(京都醸造/京都)クリーム・エール

ビールの味が無理だと言った女子大生の問いへの答えとして差し出されたビール。
よくある「ビールの味」はしない、フルーティーな香りとドライな後味ということで、ビールが苦手な人にすすめてみたいですね。

第12話 十月はうしろめたいクリーム・エール

11話からの続きでクラフトビールイベントの様子が展開される12話。
前回提供された「後ろめたい秘密」についての紹介映像が流され、乾杯の時間となります。

そして隆一が用意した料理は、丹波の黒枝豆、鰹のなめろう、トマトとお揚げさんの煮浸し、白味噌煮込みの京風おでん。
これらのおばんざい盛り合わせセットが提供され、どれも美味しそう!

自分の知ってるビールとは違うと知った大学生は、料理と合わせてみても美味しいと気づき、お酒はたくさん飲めれば楽しいワケでもないと感じます。

イベント自体も盛り上がりを見せ、SNSの影響からか物販コーナーへの客足が増えだしました。

第13話 十月は変わり種のマイルド・エール

物販コーナーが賑わいだし、てんやわんやしているのを受け、七菜は進行指示を出しつつ立ち見客を増員できるよう対処。

ビールは次の1杯として「山椒あられマイルドエール」が提供され、京野菜の天ぷらやしらすを練り込んだすり身天など、季節の天ぷら盛り合わせが振る舞われます。

最初はビールイベントに乗り気じゃなかった大学生も、クラフトビールの多様性を知って楽しいと感じるようになりました!

山椒あられマイルドエール(ワイマーケットブルーイング/愛知)スパイシーマイルドエール

クラフトビールイベントの2杯目は、ぱっと見クセの強そうな濃いめの色。
しかし香りはあられのようで、味もあられ!
意外にも飲みやすくてホッとする印象のクラフトビール。

第14話 十月は革命のインペリアルIPA

まだまだクラフトビールイベントは進行中ですが、ここで少し、イベント内容を考えていたときの回想が入ります。

「クラフトビールの世界を自由に楽しむ」と、方向性を打ち出したものの、何をすればいいのか分からなくなってきた七菜に、発送の逆転で「自由じゃないこと」から考えればどうかと提案されます。

七菜は一人でお酒と食事を楽しみたいのに、あれこれ話しかけてくるほかの客がいると不自由に感じていました。
鉄雄は海外で飲んでいるとき東洋人だからと難癖付けられるのを鬱陶しく感じており、飲食業をやってきた隆一は無理にお酒をすすめたりほかの客に酔っぱらいが絡んだりという場面に辟易していました。

そんなそれぞれが感じる不自由さ、苦しみや不安を取り除いて楽しめるイベントを、と考えていくと、イベント内容がまとまっていきます!

イベントも盛り上がりを見せ、いよいよ最後の1杯が提供されて、食事も〆の内容へ。
ひとくち屋台餃子と鰹の丼が振る舞われます。
そしてクライマックス……クラフトビールを通じた楽しい時間の締めくくりに、素顔をさらしたMAKOTOが白熊を去ると場は騒然。(え? 良いのか? 大丈夫なのか!?)
イベントは大成功に終わりました!

スルガベイ インペリアルIPA(ベアードブルーイング/静岡)

クラフトビールイベント最後の1杯はIPA。
ホップをふんだんに使った、苦みもしっかり味わえるタイプ。
苦いのは苦手……と思っていた大学生も、香りに惹かれて一口試すと、苦さのあとに抜けてくる香りに気付きます。

第15話 楽園で遅い夕食

クラフトビールイベントの成功を受けて、白熊は繁盛している様子。
いつものように食事がてら訪れた七菜は、満席のため諦めて自炊することになりました。

簡単に調理できそうな食材を買い集め、イベントのことを振り返りつつ、おうちご飯を作る七菜。
ちゃっかり缶のクラフトビールも用意して、ペアリングを楽しみます!

そして休み明け、イベントに来ていた早乙女部長はどう思ったのかと考えていると、クラフトビールイベントが提案され、自分たちの行動が意外な広がりを見せているのを知ることに……

パンクIPA(ブリュードッグ/スコットランド)

七菜の家呑みクラフトビール。グレープフルーツ風の香りで軽やかながら、苦み・コクも感じられる穏やかな味。

雷電カンヌキIPA(オラホビール/長野)

明日休みなんだからと、2杯目の家呑みクラフトビールも登場。華やかなパッションフルーツ風の香りに軽い口当たり。

第16話 帆影と共に去りぬ

陸上をやってた学生時代の鉄雄の様子から始まる16話。

どうやら街で、知り合いに遭遇したようで、積もる話をするためお店に入ります。
鉄雄は写真家として新しい仕事も始まりそうな近況を伝え、高校時代と思われる夢を追いかけていた頃のエピソードが語られました。

現実の厳しさや障壁の厚さ・高さに打ちのめされ、夢を諦めていった旧友に複雑な思いを鉄雄は感じます。

一方その頃、白熊では七菜が荒れており、先日のクラフトビールイベントを参考にしたと思われる企画が社内で立ち上がっていることに憤りを感じていました……。

フルセイル アンバー(フルセイルブリューイング/アメリカ・オレゴン州)アメリカン・アンバーエール

鉄雄が再会した旧友とお店で乾杯したクラフトビール。
普通のビールより苦めだが、甘味や柔らかさもある、奥行きを楽しめる味。

琥珀の夢で酔いましょう3巻全体の感想

白熊で開催したクラフトビールイベントの様子が展開され、結果は上々。
ただ、手放しに喜べないことも起こってるみたいで……

派遣社員の自分が提案した時は却下されたのに、社員が発案した企画なら通るってどうなのよっていうね。
イベントは成功したし、七菜の実績にはなるんだけど、会社とは別のところでやったことだから社会的評価にはならないんですよね……
そして会社では改めて、自分の立場からくる不自由さを突きつけられ……しんどい。

七菜がもっと正当に評価されて、活躍できるといいんですけどね。

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