今までに同人誌印刷で利用した印刷所の話
先日、こもれび書店さんで開催されていた委託型イベント「こもれび夏のzine」は無事終了。ありがたいことに、今まで参加した委託イベントのなかでは、頒布物が動いたほうだったかなという感じです。
(2018年のサントミは5部×2種完売だったけど、あの時は単価の安さとビギナーズラックボーナスが働いたと思っている)
お買い求めいただいた方、ありがとうございました。
そして現在、紙本祭6ポップアップストアを開催されている、招文堂さんにも一部頒布物をお預けしております。「こもれび夏のzine」とはラインナップが違いますが、こちらも機会がありましたらぜひ、店頭で見本誌を見ていただけると幸いです。
広告読酌文庫、ただいま紙本祭6ポップアップストアに参加中です
東京は吉祥寺にある、文芸同人誌に特化したシェア型本屋・招文堂さんにて、紙本祭6とコラボしたポップアップイベントを開催中です。
(紙本祭6は11月にピクリエで開催予定の、紙もの・紙の本をテーマにしたオンライン即売会イベント)
2024年8月12日まで招文堂の中に専用コーナーが設けられ、紙本祭6に参加する一部の方が作品を委託しており、ポップアップストアの形をとってます。読酌文庫もちゃっかりこのコラボに乗っからせていただき、『はなり亭で会いましょう1』と『とつげき隣のヒトハコさん』を預けておりますので、よろしければ見本誌を手に取って見てください。
オンライン注文も可能で、ポップアップに参加している作品以外の、招文堂さんに普段から参加されている方の作品も一緒に購入できます。送料がお得になるキャンペーンも実施されているので、夏休みに読む本を探してみてはいかがでしょうか?
また、吉祥寺ハモニカ横丁中央通り朝市にも招文堂さんは出店されており、次回2024年8月11日の朝市へは、ポップアップストアで取り扱っている本も持って行って下さるそうです。
はなり亭は開きやすい本だった?
先日、招文堂さんがツイキャスにて「紙本祭6ポップアップストア」で展開中の作品紹介をされました。
YouTubeにも、その内容が投稿されています。
読酌文庫が委託している作品は、53:10あたりから紹介いただいています。
事前にお送りした作品の見どころとかアピールポイントを紹介いただきつつ、実物見本を写しながらの動画で、実際のサイズ感とかがわかりやすい配信内容でした。
その際『はなり亭で会いましょう1』は開きやすい・めくりやすい、という評価(?)をいただきまして……実は、初版がちょっとめくり心地の悪い仕上がりになってしまったので、色々反省したんですよね。
現在の『はなり亭で会いましょう』全4巻の仕様が確立されるまで、思えば色々ありました。
『はなり亭で会いましょう』初版本の仕様
今となっては懐かしい、2020年1月発行の『はなり亭で会いましょう』初版本。
この時の仕様は以下の通りでした。
印刷所:ちょ古っ都製本工房
表紙:両更クラフト紙 129.5kg/モノクロ印刷
遊び紙:色上質紙 サーモン/前後
本文:書籍用紙 淡クリームキンマリ90kg/120ページ
この本文に使った用紙のセレクトが一番問題で、開きにくさを感じる仕上がりになってしまったんですね。
読めないほどではないけど、負担を感じるというか。
A5サイズの本だったら、書籍用紙90kgでもそんなに気にならないかもですが、文庫サイズやとね……開くんしんどいですわ。90kgでも、もっとふんわり柔らかな紙(モンテシオンとか?)を本文に使っていたら、また違ってたと思いますが。
あと、遊び紙も別に……いらんかったんとちがう? むしろ開きにくさを助長してへん? 表紙より分厚いくらいやない?
そんなわけで、再版時には仕様を見直すことに……
『はなり亭で会いましょう』第二版の仕様
印刷所:コミックモール
表紙:江戸小染め はな130kgうすべに/モノクロ印刷
本文:書籍用紙クリーム 62kg
仕様を見直すとともに、表紙にちょっぴり華やかさを加えたかったので、表紙に使える用紙のバリエーションがあるコミックモールに注文。
開きにくさ問題を解消し、表紙の特殊紙の効果もあって、初版からブラッシュアップできました!
『はなり亭で会いましょう2』および1巻の三版以降の仕様
そして、『はなり亭で会いましょう2』は、カラーイラストが入ったカバー付きの文庫本にしたいなって思ったので、また仕様を考え直すことに。ありがたいことに『はなり亭で会いましょう』の第二版も手持ちがなくなってきたので、三版にて『はなり亭で会いましょう1』と改め、2巻と仕様を合せるようになりました。
以降の巻も同じ仕様にしており、番外編再録集のみ、表紙フルカラーでカバーなしの仕様です。
【本体印刷】
印刷所:ちょ古っ都製本工房
表紙:色上質 最厚口/モノクロ印刷
本文:書籍用紙 淡クリームキンマリ72.5kg
【カバー印刷】
印刷所:プリンパ
用紙:アラベール ホワイト110kg/フルカラー印刷
本文は書籍用紙72.5kgに変え、開きやすさを重視!
そして表紙の色上質最厚口って135kgなんで、ちょっと薄い、人によっては頼りなく感じる厚みです。アートポスト180kgとかと比べちゃうと、どうしてもね……
市販の文庫本も、PP加工されたカバーを巻くとはいえ、もっと厚みある紙を使ってんじゃないかな?
でも、私はもう、開きにくい本を作りたくなくて、カバーもかけるんだからと、本文だけでなく表紙も薄め路線を徹底。
カバーに使った紙も、もっと厚いやつ選んでもよかったとは思いますが……アラベールは130kgも選べたんですが……
本体とカバーの印刷所が分かれる以上、カバー巻き作業を自分でしなきゃいけないし、思ったよりカバーが厚いと折ったり巻いたりも手間取りそうだし……というわけで110kgに!
この組み合わせが現在の、負担を感じずに表紙を開ける、軽い仕上がりとなりました。
まぁ、もう少し表紙は厚くしても良いのかも知れないけれど(見栄えとか強度とかの面で)、自分的にこれがしっくりくるなって思ったんで、はなり亭全4巻はこの仕様で統一しています。
なお、本体の印刷は最近、おたくらぶに頼むこともあります。納期とお値段とを考えて、その時々、使いやすい方に注文しています。
2024年秋以降のイベント参加予定
夏は委託イベントのみの参加でしたが、9月以降はイベント予定が続きます!
2024/9/8 文学フリマ大阪12(配置発表待ち)
2024/10/20 関西コミティア71(申込済み)
2024/10/26 関西めしけっと(申込済み)
2024/11/3~4 紙本祭6(配置発表待ち)
「気になってたけど買い逃した~」という方は、イベント時にでもお買い求めいただけると嬉しいです。
(売り切れ・欠品時はご容赦を)
おまけ:今までに使ったことのある印刷所
おまけで、今までに使ったことある印刷所の紹介しておきます。同人誌やそれに近い本の形になるものを印刷したところだけをピックアップしているので、グッズ印刷だけ、ペーパー印刷だけお願いしたところは取り上げておりませんのであしからず。
印刷所選びの参考になれば幸いです。
ちょ古っ都製本工房
いつも、お世話になっております。
納期が長いプランになるほど印刷代がお安くなって、財布に優しいオンデマンド印刷。
(ただし、受注量が限られるので事前に予約しましょう)
用紙のバリエーションはちょっと寂しいのですが、最近増えた様子。ちょっと手間ではありますが、ほかの印刷所で表紙だけ刷って、表紙持ち込みもできるみたいです。
(印刷方法によってはNGもあるんで、持ち込みを受けてもらえるかは要確認)
「カバー印刷とカバー巻きまでやってほしい」とか「スピン(背表紙にくっ付いてる紐状のしおり)付けたい」とか「ホログラムPPの表紙にしたい」とか「表紙に箔押ししたい」とか「角丸加工の本作りたい」とかには応えられませんが、シンプルな本を作るときには最強クラスのコスパなんで、文学フリマの出店者さんもよく利用されていますね。
(ホロPPや箔押しは表紙を持ち込めばできそうですけど)
はなり亭のほかは『とつげき隣のヒトハコさん』の印刷でもお世話になりました。
コミックモール
読酌文庫としては、はなり亭第二版でお世話になりました。それ以前に、二次創作をしていたときも何回か注文しています。
ちょっとホームページがわかりにくい感じはしますが、シンプルなプラン設定で、そこそこ紙の種類も選べるので助かっています。
オプションでカバー印刷とカバー巻きもお願いできるんで、カバー付きの本を楽に作りたい時もおすすめです。
印刷所が本体とカバーで分かれちゃうとね……自分で巻かないといけなくなるからね……
プリンパ
紙えらびから始めるネット印刷、ということで、選べる用紙のバリエーションが多い印刷所さんです。はなり亭のカバー印刷をお願いする前、手製本で作った『Nomu-Yomu酒語り』の表紙印刷でも使ったことがあります。
そして、用紙のバリエーションもさることながら、モノクロ印刷・フルカラー印刷のほかに、ホワイト、ネオンピンク、ゴールド、シルバー印刷も選べます!
(用紙によっては一部選べないカラーあり)
だから、『Nomu-Yomu酒語り』の表紙はホワイト印刷を使って、ちょっと面白い仕上がりです。
ほかにも用紙と印刷の組み合わせを考えると、夢が広がりますねぇ……
ディープマットにホワイト印刷も映えるでしょうし、ゴールドやシルバーを使っても独特な格調高い雰囲気が出せそうです!
ミランダと合せるのもいいですね。
白系の用紙にシルバー印刷すると、はかない上品さみが出せそうだし、ネオンピンクもロマンティックかもしれません!
クラシコトレーシングにフルカラーやネオンピンクって組み合わせも楽しそう!
ただし、こちらの印刷所さん、鹿児島県にあるので住んでいる地域によっては配送から到着までにかかる時間は注意したほうが良いです。
関東・関西にある印刷所を使うときの感覚でいくと、届くのが遅くて誤算ってパターンも。
九州にお住まいの場合は関東・関西の印刷所より早く届くかと思いますが、自分が住んでる地域だと何日かかるか見たうえで、入稿スケジュールを立てましょう。
おたくらぶ
おたくらぶも用紙の種類がめちゃ多い! そしてお値段も安い!(納期や受注制限・休止に注意)
ホログラムPPも少部数印刷で使える!!! いつかやりたい!
グッズの印刷もいろいろ手広くされていて、ちょっとだけ作ってみたいニーズに合う印刷所さん。
『はなり亭で会いましょう 番外編再録集』と、初のコミックエッセイ本『タヌキの日々』、ノベルティのしおりなどは、おたくらぶで印刷しました。
『はなり亭で会いましょう』の本体も、最近はこちらで注文するケースが多いです。再版だから余裕を持って入稿できますし、16営業日発送で問題なし。
(おたくらぶだと、表紙:色上質132kg/単色印刷・黒、本文:書籍用紙70kg/モノクロを選ぶと、ちょ古っ都製本工房と同等の仕様になる)
しおり印刷のサイズにバリエーションができたみたいなので、また作りたいですね。
紙コースターもお願いしてみたい……
レトロ印刷所
今まで紹介した印刷所さんは基本、オンデマンド印刷なんですけど、レトロ印刷はリソグラフを使っています。
いろんなカラーが選べて、色の組み合わせで見せるのが楽しい。かすれや色移りはご愛敬。
かつて頒布していた「にほんしゅにっき」もレトロ印刷で作りました。また、『Nomu-Yomu酒語り』の2色刷りになっている本文も、レトロ印刷に注文したものです。
最近だと、『タヌキのちょい飲み物語』もレトロ印刷で作りましたね。3色刷りで疑似フルカラーをやってみたくて……
プリントパック
とにかくフルカラーがお安い!
『タヌキの飲み歩き物語』を作るとき、本文フルカラーにしたかったのでこちらに依頼しました。
フルカラー冊子を格安でって考えると、プリントパック一択といってもいいでしょう。
ホンマに、ヤバイくらい安したはる……
しかも、ユーザー登録したら、サービスで色々印刷できるクーポンが付いちゃって……それで、配布物やらポストカードやら名刺やらも作りました。
今後もオールフルカラーな本を作るときは、最初に選択肢として挙がると思います。
グラフィック
かつて頒布していた『にほんしゅもんだい』は、こちらの印刷所さんで作りました。
あと、二次創作でアクリルキーホルダーをちょっとだけ作ったこともあります。
プリントオン
季節ごとのフェアで登場する装丁がワクワクするし、和綴じとか、変わった加工の本とか作れるセットメニューがあって、ホームページ見てるだけでも楽しいです!
頑張って早期入稿すれば、割引やおまけのオプションが選べるのも嬉しい。
あと、仕様をおまかせで注文する、わくわくドキドキセットはいつか使ってみたい。わくわくドキドキしてみたい。
緑陽社&関西美術印刷
かつて二次創作でアンソロジーを主催した際、印刷の美しさが評判の印刷所を使ったオフセット印刷にしたいと思いまして……金に糸目を付けず()本体は緑陽社、カバーは関西美術印刷という組み合わせで注文したことがあります。
あと、緑陽社はアンソロの注文をする前に、個人誌でも利用しました。
いやぁ、たまんないクオリティでしたよ、えぇ……
少部数を安価で印刷できるところも増えているし、技術もどんどん進歩していてオンデマンド印刷もかつての欠点をかなり克服しています。
でも、でも……!
やっぱしオフセットの良さってあるんだよなぁ……
プリントウォーク
こちらも何度か、二次創作のオフセット本を作る際に利用しました。
本文をカラーインクで印刷できる本文色刷りフェアとか、いつか使いたいなーって思ってたんですよね。
最近はオンデマンド印刷で似た仕様の印刷ができるようになってきたので、今後使う機会があるかは不明ですが……
くりえい社
こちらも何度か、二次創作のオフセット本でお世話になりました。
あと、学生時代のサークル誌も、この印刷所を使っていましたね……
オレンジ工房.com
少部数のオンデマンド印刷ができる印刷所さん。
その昔、印刷所に頼むってなったら、基本オフセット印刷で、50部とか100部とかからだったんですよね。
20とか30で注文できるところもありましたけど、割高感が強くてねぇ……
そんなとき、5冊とか10冊とかでも作れるオンデマンド印刷の存在を知るきっかけになった印刷所でした。
One Books
こちらの印刷所さんは、何冊注文しても1冊あたりの単価が変わらないというスタイルのオンデマンド印刷。
二次創作で文庫サイズの厚い本を作ったとき利用しました。
……そう、読酌文庫としては『はなり亭で会いましょう』が初の長編小説なんですけれども、別名義では既に長編小説書いてたんですね……()
イベントでお目にかかりましたらヨロシクです
そんなわけで、読酌文庫が直接参加する次回イベントは、2024年9月8日の文学フリマ大阪12でございます。
こちょこちょと準備を進めておりますので、お目にかかりましたらよろしくお願いします。
また、委託イベントやオンラインイベントでも、頒布物を手にしていただけると嬉しいです。
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