【ネタバレ感想】酒と恋には酔って然るべき11巻
今泉くんとの結婚に向けた話がまとまってゆき、松子の恋にはひとまず決着がついた前巻。
しかし、今泉くんの同期であり、新人時代に名取と関わりがあったという新キャラクター・矢吹さんの存在が、何やら波乱を予感させる終わり方をしていました……!
さて、これから矢吹さんはどう関わってくるのか、名取との過去エピソードは明らかになるのかが気になる11巻です。
そんな11巻の表紙は松子&名取の同期コンビ。
松子&名取と今泉くん&矢吹さんの同期ネタもちょっと掘り下げられる展開になりました!
61合め:出会いは無愛想に
矢吹さんの様子を見て、何かやらかしたのではと松子は名取に問いますが、名取は心当たりがない様子。
ならば今泉くん経由で矢吹さんについて探るべく、伊達さんのお店で話すことに。
伊達さんが日本でオープンしたお店は今後、日本酒部メンバーのたまり場になっていく感じでしょうか?w
まぁ、松子宅もちょくちょくいろんな人が訪問して、みんなで家飲みをしていたりするので……似たところのある二人だったんだよな~。
二人の道は分かれてしまったけれども。
そして話すうちに名取は矢吹さんの正体(?)を思い出します!
矢吹さんはかつて名取が新人研修時に手厳しく注意した相手だったのですが……それを受けて矢吹さんはどう感じていたのか?
また、伊達さんからお酒の説明を聞きつつ、名取がしみじみと語ることもちょっと意味深な感じでした。
純米大吟醸 くどき上手 無愛想(亀の井酒造/山形県)
「オレっぽいお酒ってない?」という、名取の無茶振りに応える形で伊達さんがこのお酒を提案してきました。
くどき上手なのに無愛想とは?
酒蔵さんの思いも聞けて、奥深い一杯に。
フルーティーだけど爽やかな味わいで、伊達さんおすすめのおつまみはメンチカツとハムカツでした。
62合め:ときめきのラベル
松子宅に実家からの定期便(?)が届き、添えられていた手紙にショックを受ける松子。
なんと、松子のお気に入りカップ酒・野口博士がなくなるとのこと…
日本酒業界の瓶事情についても知れるエピソードとなりました。
そして、実家から届いたお酒と柿を振る舞うべく松子は白石を誘い、今泉くんも加えて3人で飲むことに。
白石から祝福され、飲み比べを楽しむ松子たち。
たびたび松子の恋愛相談に乗っていた白石としては、この二人が結婚するのは感慨深いようですね。
今泉くんの言動に振り回されていた松子を見てきたから白石だからこその忠告もあり、松子に対する白石の友情も感じられるエピソードです。
末廣「Simple」シリーズ(末廣酒造/福島県)
「あまい」「さっぱり」「あまずっぱい」と、わかりやすい3種のお酒。
日本酒入門者にとって取っつきやすいよう、味の違いをわかりやすくしているお酒なんだそう。
それぞれ500mlで飲み比べにピッタリだからと、作中の松子は白石を誘って飲むことにしました。
63合め:2人の伝説に乾杯!
日本酒部による松子&今泉くんの結婚祝いが日本酒居酒屋「串駒」で行われます。
ここは以前、松子がそば前でいただく大人の一人酒を楽しんだお店です。
十四代で乾杯し、みんなに祝福されつつ、二人の恋愛エピソードについて質問が飛び交います。
その流れでチラッと触れられる、今泉くんの長崎旅行エピソード……詳しくは次回に語られることに。
帰り道、新庄&大崎夫婦と同じ電車に乗った今泉くんは、先に結婚した2人からケンカしたときの対処法を聞き出します。
仲直りしたくても何かズレてて、微妙な気持ちになっちゃうのは交際中でも結婚してからもあるあるなことですよね。
亀泉 純米吟醸原酒 CEL-24(亀泉酒造/高知県)
結婚祝いで訪れた串駒にて注文。
今泉にちなんで「泉」のつく銘柄として、名取がチョイスしました。
CEL-24は酵母の名前で、この酵母を使うとフルーティーな味わいになるんですよね。
お店でいただいたレバーパテは、このお酒とのペアリングを考えて開発されたそうです。
64合め:和くんの長崎旅行記
東京に遊びに来た松子両親と今泉くんが顔合わせするエピソード。
こういう展開があると、本当に結婚に向けて話が進んでいる感じがしますね!
いつもは何かと塩対応な今泉くんですが、食事会のお店を選びを申し出て、やってきたのは長崎フェア開催中のホテル。
今泉くんとしては、思い入れある長崎のお酒をすすめたい様子です。
和やかな雰囲気で顔合わせの食事会は進み、結婚に向けた話も順調。
今泉くんもさすがに婚約者両親の前ではしっかりとした受け答えをしてくれます!
いや、こういう場で照れて茶化したり、すっとぼけたりされると、一気に恋が冷めますからね!
今泉くんの長崎エピソード回想が入り、松子と心が離れてしまったあの頃、今泉くんは松子への思いがいっぱいだったみたいで……
ふたりの気持ちが重なって本当に良かったなと思わせられました。
……いや、私は伊達さん派だったんだけどね!
それでも……ね。
ああいう展開を見せられちゃうとさー……まぁ、伊達さんがフェードアウトせずに日本でお店出してくれて、ほかの登場人物と絡むようになったからヨシ!
HIRAN Heaven(森酒造場/長崎県)
松子両親と今泉くんが顔合わせした食事の席で登場。
平戸の情景をイメージし、教会のステンドグラスみたいなラベルがおしゃれなお酒です。
アルコール度数は13と控えめで、爽やかな口当たりのお酒だそう。
65合め:名取の初体験
カップ酒を仕入れたからみんなで飲もうと名取に提案され、松子宅で集まることに。
企画部へ異動する松子の後任には矢吹さんが決まり、引継ぎ等々もあるのでお近づきの印にと松子は矢吹さんも飲みに誘います。
……が、名取との関係性を思い出しちょっぴり不安に……
矢吹さんは地元のお酒として若鹿(福井県)の青バンビカップを手土産として持ってきて、名取が仕入れたというお酒は秋鹿(大阪府)のバンビカップという、まさかのバンビ揃い。
松子が飲む様子をジッと見つめる矢吹さん。
聞けば、日本酒を飲んだことがなくて、どう飲めば良いのかわからないとのこと。
そんな彼女にも松子は丁寧に日本酒の味わいをレクチャーし、矢吹さんも日本酒の美味しさに目覚めます!
そして、酔いが回るにつれて矢吹さんもほぐれてきたようで……彼女も今泉くんと同じ、酔いデレタイプ?
酔って雰囲気が柔らかくなったからか、矢吹さんは素直に名取に対して思うことを打ち明け……一波乱あるかと思いきや、ほっこりエピソードでまとまりました。
若鹿 上撰 青バンビカップ(舟木酒造/福井県)
矢吹さんが持ってきたカップ酒。
松子的にはぬる燗が良さそう、とのこと。
秋鹿 純米酒 バンビカップ(秋鹿酒造/大阪府)
米作りからこだわる大阪の酒蔵・秋鹿のバンビカップ。
松子のおすすめは熱燗で、飲んでみた矢吹さんの感想は「湯たんぽみたい」とのこと。
66合め:夜の男たちは踊る
今回は伊達さんのお店を舞台に、男性陣中心のエピソード。
名取が店に行くと大学生の子たちで賑わっており、アルバイトスタッフ・只見くんのゼミ仲間が新年会をしていました。
しかし、只見くんは仲間たちの前に姿を現さないようで、何だか様子がおかしい?
新年会がお開きになってから顔を出した只見くんへ、名取&伊達さんによる事情聴取が始まります。
どうやら、新年会をしていた学生たちの中に、意中の相手がいたようで……?
年上男性2人は自身の経験も重ねつつ、只見くんにリアルなアドバイスをするのですが……
名取はかつて松子と飲みに行って、良い関係になれるかな~と思いつつも価値観の違いを感じたことを考え……
伊達さんはかつて、自分の同期・最上と親しくしていることを松子が妬いたのを思いだし……
名取と伊達さん、なんやかんや仲良くなってて面白い関係になりそう?
そして翌日、いよいよ企画部への異動が近づく松子に、今泉くんがある提案をして、また1歩関係が進むことになります!
高千穂 熟成梅酒(高千穂酒造/宮崎県)
名取が伊達さんのところに差し入れした梅酒。
3年熟成した梅酒をブレンドした深い味わいながらスッキリした仕上がり。
合う料理として麻婆豆腐とエビチリが出され、紹興酒っぽいテイストだった模様。
11巻全体の感想
松子&今泉くんの結婚話がまとまり、それに付随する形で周りの人たちの様子が掘り下げられました。
矢吹さんと名取の過去エピソードも悪い話ではなくて一安心。
矢吹さんも日本酒部に参加するようなので、今泉くんとの同期同士エピソードも面白そうですね!
何かと松子に絡んでくるし、名取くんは松子をどう思っているのかについても、ある程度答え合わせができてスッキリしました。
今後のみどころは、松子の結婚式に向けたアレコレがメインになりつつ、矢吹さんがどう絡んでくるかってところでしょうか?
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