【ネタバレ感想】琥珀の夢で酔いましょう6巻
6巻では、かねてより企画を進めていたクラフトビールのイベントがスタート。
白熊メンバーがそれぞれの場所で動くエピソードが多く、各自の過去や感じている問題なんかも少し見えてくる巻でもあります。
第26話 Keep Yourself Ally
白熊のアルバイトスタッフ・知愛ちゃんが中心の回。彼女のルーツや過去にあったこと、大学生活の中で感じるモヤモヤが見えるエピソードです。
多様性を認めようとはいうけれど、なんでこっちが負担しなきゃいけないの?
多様性を認めないのも自由でしょ? それも多様性でしょ?
……なーんて、悪気なく言う人の言葉に引っかかりを覚えるのは、知愛自身もルーツにマイノリティがあるから。それゆえに理不尽を受けた過去があるから。
そんなモヤモヤを抱えながら体調不良を感じつつも、通りかかったお店のクラフトビールは気になって……そんな彼女を偶然出会ったお姉さんが助けてくれる展開に。(……ってか、このお姉さんも実は白熊関係者)
しかも、粋な計らいもしてくれて、知愛の気持ちも上向きます。
そして、クラフトビールのイベントに向けて白熊メンバーはそれぞれ奔走するのでした。
Millk Stout Nitro(LEFT HAND/アメリカ・コロラド州)スタウト
知愛と偶然出会ったお姉さんが注文した黒ビール。お店では缶の状態で提供され、自分でグラスに注ぐスタイルでした。
そしてこれは、ナイトロという窒素入りビール。美味しく飲むためには注ぐときのコツがあって、缶を優しく振ってから、一気に垂直にしてグラスへ……って、難しそう!
緊張しながらも、何とか助けてくれたお姉さんのためにサービングできました。
第27話 I’m a Hop
クラフトビールのイベント・千鳥足スタンプラリーに向けて着々と準備は進み、いよいよスタート。
今回は鉄雄&修道の与謝野旅から始まり、2人は京都府北部の与謝野にてホップ栽培を試みる、ビアジャーナリストの藤原ヒロユキ氏を訪ねます。
海外からきて京都で生まれ育ったホップに、知愛は自分と重なるものを感じているみたい?
そして、白熊にはイベントに合せて臨時アルバイトが2名追加! それも、突然出てきたニューフェースではなく、それぞれ過去に登場したキャラクターたちです。
知愛は白熊の先輩スタッフとして気を引き締めつつ、自分は何ができるかを考え、行動します。
今回はクラフトビールでもノンアル専門の醸造所が造るノンアルビールをクローズアップ。
ノンアルビールと聞くと、ビールの下位互換なイメージを持たれがちですよね……
でも、こちらはあえてノンアルでいろいろなスタイルを造り、新しいおいしさを確立しているのが感じられます!
ブラバスIPA、Oatmeal Dark、Hoppy Red(BRAVUS BREWING/アメリカ・カリフォルニア州)ビールテイスト飲料
白熊の臨時スタッフ歓迎会代わりにと、こちらのノンアルビールで乾杯。
お酒は弱いけれどビールの味は好きだし、いろんなの飲んでみたいって人のことを考えて用意したみたいです。
見た目もクラフトビールっぽい仕上がりで、スタイルが複数あるのも特徴的。
第28話 土曜の夜はビールが生きがい
千鳥足スタンプラリーが始まり、白熊は開店前の準備中。そして、京都の夏は暑い。打ち水なんて、焼け石に水もいいところ……
イベント本番ということで、七菜が発案したおすすめのビールを紹介し、誰かに楽しんでもらえる「ペイフォワードビール」も導入されます。
何を飲めば良いか悩んだら、ペイフォワードから選んで気軽にお試し。
良いなと思うビールは次に来る誰かのためにおすすめして先払いして行く。
そんな好循環も生まれそうな感じ。
白熊へは次々とお客さんがやってきて、思い思いのビールを楽しんでいきます。
臨時スタッフも良い感じに動けていて、今のところ良い感じ?
週休6日(京都醸造/京都府)ベルジャンセッションIPA
鉄雄からのペイフォワードとして登場。南国っぽい香りにキレのある飲み口。
隆一が用意した、フォーやチリソース和え、生春巻きなどのエスニック料理との組み合わせも良い感じ。
EYES OF THE TIGER(Derailleur Brew Works/大阪府)パイナップルウィート
ビールの味がしない、ドロッとしたスムージーのようなビール。見た目も味もビールとは思えない仕上がりのようで……飲んでみたいですね。
アイスを乗せてビアフロートにしてもよし、とのことで、イベント特別メニューも展開していました。
Border Crossers(反射炉ビア/静岡県×牛久醸造場/茨城県)ワイン酵母ビール
隆一のおすすめビールとして登場。ワインとビールの交差点になるようなビールを出す醸造所による、ワイン酵母のビールです。だから、ビールであり、ワインでもある!?
合せる料理は青瓜の浅漬けや万願寺の酒粕クリームチーズ詰め、ガーリックトーストに鮪のレアカツと、いろいろなものが登場。料理の味の濃淡がバラバラなのではと言われますが、このクラフトビールにはそんなバラエティ豊かな料理たちがぴったりでした。
第29話 金曜の昼は外飲みが生きがい
イベント本番、七菜は会社に詰めて、諸々の対応にてんてこ舞いの様子。街の様子が見えない場所にいて、クレーム対応に追われるからか、イベントが成功しているか分からない状況です。
そしてチラッと頭によぎるのは、七菜の地元のこと?
何だか帰りたくないみたい?
気分を変えようとSNSを見てみると、鉄雄が撮影した写真が目に留まります。
場面は切り替わって、イベントスタッフとして街を回り、イベントを楽しむ人に取材活動する鉄雄&修道。取材と撮影の許可を取りながら、鉄をはカメラマンとして撮影を担当しています。
さらに、自分のカメラでイベントのために撮るだけじゃなく、参加している人が個人的に楽しめるよう撮影する提案もします。おすすめのクラフトビールを教えるだけでなく、自分が購入したビールも渡しちゃうなんて、大盤振舞過ぎでは!?
Nobel Ek(Brekeriet/スウェーデン)ワイルドエール
ワイン樽で熟成させたビール。華やかな香りに爽やかな酸味、それでいてビールの味わいという欲張りセット。
温度が変わるとまた、味も変化するみたい。
Double Cherry Coffee Break Coupcake Sour(Friends Company/スウェーデン)サワー
これもあんこ系に合うからと鉄雄がすすめたのはなんと、缶にカップケーキの絵が入ったクラフトビール。
甘そうな印象とはうらはらにスッキリ系の味で、チェリーやベリーの酸味がするそう。
Napoleon Cake(Brewski/スウェーデン)インペリアルスタウト
こちらはケーキの絵が入ったクラフトビール。香りはめっちゃショートケーキ、そして味もショートケーキ!
DEAD PONY CLUB(BREWDOG/スコットランド)セッションIPA
鉄雄が自分用に買ったけれど、イベント参加者に提供したクラフトビール。爽やかな宗玄を感じさせる味だそう。
第30話 土曜の夜は写真が生きがい
鉄雄&修道の取材活動パート2。
海外から来た人の話も聞きたい、なんて言いながら回っていると、日本・韓国・アメリカという多国籍な3人グループに遭遇します。そして、ルーツの異なる3人は複数人交際をしていると明かされ、そんなグループを取材しながら、お土産用のビールが買える店へ案内。語学堪能な鉄雄は通訳もこなしつつ、3人が求めるビール選びを手伝います。
買い物のあと、河原でビールを楽しむ参加者たちを見守りつつ、鉄雄の育った家庭環境が少し明かされます。
一段落して電話で七菜と話す鉄雄。七菜は鉄雄が撮影した写真を見てイベントをやって良かったと思えたことを伝え、鉄雄は酒屋さんからのメッセージを七菜に伝えます。
仕事のことであれこれ悩んでいた七菜でしたが、気持ちが軽くなった様子?
其の十(志賀高原ビール/長野県)インペリアルIPA
柑橘の香りがするホップ、かつ軽いのに苦いビールをとの要望に応えて登場。苦味はしっかりあるけれど、酒米が入っていることで飲みやすいというクラフトビールだそう。
栗黒 KURIKURO Dark Chestnut Ale(宮崎ひでじビール/宮崎県)インペリアルスタウト
育児中だから飲めるタイミングが限られることを考えて、長期保存可能なゆっくり飲めるビールという要望から紹介されたビール。賞味期限が設定されておらず、次巻を重ねて味わい深くなるんだそう。
ジャパニーズハーブエール山椒(いわて蔵ビール/岩手県)ハーブ・スパイスエール
料理好きでスパイスに興味があるから、日本のスパイスが入ったビールはないかと問われて登場。山椒は日本を代表するスパイスですものね。
琥珀の夢で酔いましょう6巻全体の感想
イベントのため、白熊メンバーにも新たな仲間が加わり(臨時スタッフだけど)、千鳥足スタンプラリーイベントがスタートした6巻。
それぞれの場所で対応に追われるなか、鉄雄は少し自分のしてきたことや自分にできることへの自信を付けた感じで、七菜にもエールを送りました。
七菜も七菜で、鉄雄が街を回って撮ってきた写真を見てようやく、イベントの成功を実感できましたが、彼女の抱える問題や不安はまだ解消されていませんね……
白熊の営業も今のところは大丈夫そうですが……
イベントの様子はまだちょっと続くようで、7巻の展開に期待です!
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