【お気に入り漫画】クラフトビールと大人の青春!琥珀の夢で酔いましょう
お酒の中では日本酒推しなのですけれども、その他のお酒を楽しむこともありますし、それぞれに良さがあると思っています。
だから、『酒と恋には酔って然るべき』のように、お酒がテーマになってる作品は追いかけたくなるんです!
月刊マックガーデンで連載中の『琥珀の夢で酔いましょう』(原作・村野真朱/作画・依田温)もその一つ。
こちらの作品はクラフトビール🍺をテーマにしつつ、多様な関係性やマイノリティの生きづらさにも触れつつ、お酒の自由さ🍻が展開されていきます!
京都の広告会社に勤める剣崎七菜は、社内の人間に自身の仕事が認められないことに苛立ちを感じていた。そんなとき偶然入った居酒屋「白熊」で、店主・野波隆一とカメラマン・芦刈鉄雄、そして「クラフトビール」に出会う――。もっと自由にビールを楽しむ、京都クラフトビール物語はじまります!
第1話「Fly Me to the Amber Dream」あらすじ
『こは酔い』の見どころ
多種多様なクラフトビール
作品内では多種多様なクラフトビールが登場し、いずれも実在の銘柄です。缶や瓶で流通しているものなら、取り寄せて作中に登場したペアリングの再現もできちゃいます!
このあたりは『酒と恋には酔って然るべき』と通じるところがありますし、飲み助的には読んでいて楽しい。そして、クラフトビールが飲みたいお口になっちゃいます🍺
厳格に定義づけされているわけではないのですが、大手ビールメーカーが量産するビールとは違う、小規模生産のビールを指すことが多いです。
小規模だからこそ、一風変わった味や香りのものも造れるし、個性を際立たせられる存在だと個人的には思っています。
まぁ、でも最近は大手メーカーもクラフトビールと銘打って、メインの商品とは違うラインナップのものを出してますし、全国で市販されるくらい一般化しているクラフトビールもありますね……。
もちろん、ただ作品のアクセサリー感覚で登場するのではなく、どんな料理と合せるかも作中で描かれ、ときには醸造所や醸造家の思いにも触れられます。
ビールのスタイルや注ぎ方なんかも簡単に紹介してくれるので、知識も身につく感じ。
(その辺の描写が面倒に感じる人は読み飛ばしてもOK)
クラフトビールを通じて広がる仲間たち
最初はクサクサした気分を切り替えたい剣崎七菜が、野波隆一のお店「白熊」へ偶然やってきて、そこに居合わせたカメラマンの芦刈鉄雄と出会い……と、3人の協力関係から始まる物語。
で、これも作品の重要なポイントだと思うんですけど、仲間うち内での色恋は全然発生しないんです!
(7巻時点での状況なので、今後何かが変わったり新しい人物が関わってきたりして、そういう展開が起きる可能性もあるんですけど)
この点は『酒と恋には酔って然るべき』とはまた違う、お酒を通じた交流の描き方だなって思います。
なんというか、初期メンバーが女1・男2って構成だと、三角関係を描きがちというか、とりあえず男女が出会ったら恋愛させとけみたいな作品、多いじゃないですか?(偏見?)
もちろん、恋愛描写がダメとは思わないし、恋愛要素が絡むことで生まれるドラマもあるし、胸キュンやソワソワや切なさを描けます。
(はい、自著『はなり亭で会いましょう』も男女の恋愛描写が少し入ります……)
でも、何でもかんでも安易に恋愛と結びつけてしまうのもなーって思う自分もおりまして……恋愛だけじゃない関係性のあれこれを描いている部分も『こは酔い』のらしさだと思うし、これからもそういうスタンスの作品であってほしいです。
そして、最初は3人の活動というか行動がメインでしたが、その後は女優のMAKOTOちゃんこと四ノ宮慎やアルバイトスタッフとして白熊に参加する柳知愛、七菜の派遣先に勤める桂木修道も加わって、どんどん大所帯になってきてます。
マイノリティの生きづらさにも言及
仲間うち内での色恋はないんですけど、かといって恋愛に言及する部分が0ってワケでもないんです。
七菜の派遣先では部長が部下たちに(!?)手を出してて修羅場ってる様子がありましたし、隆一の恋愛遍歴(?)も5巻で判明します。
社会人と大学生の男性が友だち以上になる展開とか、ポリアモリーなグループが登場したりとか……
でも、とりあえず要素として入れて、多様性語っとけみたいな感じではなくて、マイノリティゆえの悩ましさとか生きづらさとか、それを認め合うことが本当の自由ではないかとか、しっかり考えさせられる描き方なので、自然と受け入れられるんですよね。
主要メンバーの一人である七菜も恋愛に無関心(恋愛よりもMAKOTOちゃんを推すのに忙しいし仕事も頑張りたい!)で、鉄雄と一緒にいるとつき合ってるのかと聞かれたり、隆一の彼女なのかと言われて「スン…」となったり、色恋が絡むのは面倒に感じている様子。
そういう部分もマイノリティといえるし、お酒を楽しんでいるだけなのに外野からあれこれ言われて楽しい気分を阻害されるのがしんどい。
だから、取り除ける障害は取り除いて、みんながクラフトビールを自由に楽しめる場を作りたいって思ってるんです。
ただし、生きづらさに切り込む展開上、ときにマイノリティが偏見や差別を受ける描写、弱い立場の存在が被害に遭う描写なんかも出てきます。
6巻・7巻では、内容がキツいと思われる箇所に注意書きページが挟まれるようになっていました。
そのあたりの描写でストレスを感じそうな方は、読まれるときに注意が必要ですね。
月刊マックガーデンで連載中です
現在、単行本は7巻まで刊行されており、月刊マックガーデンでの連載も続いています。
クラフトビールのイベントも終わり一安心と思ったら、七菜と隆一には転機が訪れる展開のようで……
今後もどうなっていくか、目が離せません。
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