【ネタバレ感想】酒と恋には酔って然るべき2巻

2023-07-05

『酒と恋には酔って然るべき』単行本第2巻は、7合め~12合めまでを収録しています。
1巻の表紙は松子と後輩男子・今泉くんのツーショットでしたが、今回は別の男性が松子の隣に……!?

今泉くんに振り回されまくった松子ですが、彼が販売部の女子・美森さんと付き合い始めたと聞いて、距離を置くことに。
そしてお酒の縁で松子にも春が訪れるのですが、年齢的なこともあって恋愛の先にあるものを意識したり・しなかったり?

距離を置いたものの、職場の後輩という関係もあって、今泉くんとの接し方にも心を悩ませます。そして何故か、今泉くんの彼女・美森さんも接近してきて……と、2巻は色々な人間関係が動いてきて、ますます酒と恋が楽しい展開です。

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7合め:梅酒の出会い

衝撃の事実が発覚したので、今泉くんとは距離を置くことにした松子。一緒の飲もうと思っていた「新政No.6」はヤケ酒として消費される展開に……。なんかもったいなくない?w

そして松子は、自宅で梅酒を仕込みながらこれまでを振り返って自分を見つめ直します。

梅酒を仕込んでいるということは、季節は5月下旬から6月あたりかな?
松子は梅仕事も手についているようなので(小田原の梅を予約しているし)、毎年梅酒を作っているのでしょう。

仕込みが一段落すると梅酒が飲みたくなってきて、日本酒仕込みの梅酒を求めて飲みに出かけます。松子は1人でも気にせず飲みに行けるタイプの様子。

そこでそのお店では、運命の出会いが!

ただのモブかと思われた(?)6合目にて「新政No.6」に涙を流した男性・伊達さんと意気投合。スマートに自己紹介して「今度、飲みに行こう」と声をかけられ、失恋(?)から一転、松子は幸せ気分に

越乃景虎 梅酒(諸橋酒造/新潟県)

酒蔵が日本酒で仕込んだ梅酒なんだから、その味は間違いありませんよね!
梅酒の仕込みを終えた松子が、今から飲める梅酒を求めて1人飲みするお酒です。

ちなみに梅酒などの果実酒を自宅で仕込む場合、20度以上のお酒に漬け込む必要があるので、一般的な日本酒ではほとんどこの条件を満たせません。とはいえ、日本酒を使って果実酒を仕込みたいニーズに合わせて用意されている日本酒もあるので、使うならそちらがおすすめです。

越乃景虎 龍(諸橋酒造/新潟県)

梅酒の次に松子が注文したのは、仕込みに使われた普通酒。
居合わせた他の客が「普通酒pgr」してきてイラッときちゃうのですが、伊達さんはスマートに対応してくれます。

「純米酒がー」「吟醸酒がー」って、肩書きだけで味を判断してはいけませんよね。
でも「ムキー!」と怒りをあらわにしちゃう対応も、楽しいお酒の席ではよろしくない。
その点、伊達さんは押しつけすぎずにやんわりと、普通酒の良さを伝えて受け流す感じが……うーん、やっぱり私は伊達さん推しだなぁ。

8合め:恋の和らぎ水

伊達さんの対応がいちいちスマート!
これはもう、惚れるしかない!(えぇ、そうです、私は伊達さん派なのです※大事なことなので何度でも言います)

社交辞令かもと思っていた伊達さんからの「一緒に飲もう」が早速叶って、お酒の話題で盛り上がります。
伊達さんはカップ酒のレンチン燗が話題に出ても引くことなく、むしろ目を輝かせて食いつく人なので……もう、絶対松子とお似合いじゃね??? って思うのですが。

まだお付き合いという状態にはなっていないものの、試飲会デートも一緒に楽しめて幸せだったところに、今泉くんからのお土産攻撃……と思ったらその彼女・美森さんからの気遣い? けん制???

何にせよ長野の地酒カップをゲットです。

作中で夏酒の話題が出てきたので、季節は6月後半から7月に入ったあたりでしょうか?

十六代 九郎右衛門 十三度台九郎右衛門 無濾過生原酒(湯川酒造店/長野県)

原酒なのでこのお酒は加水でアルコール度数を調節していないんですよね。
加水せずにアルコールを13度台に抑えて、それでいて味わいもしっかり出るようにと作られているお酒です。

また、ラベルもカラフルで可愛いんですよ。

試飲会で松子と伊達さんが購入し、それぞれの家飲みを報告し合います。
伊達さんはお手製のタコとトマトのマリネを、松子は実家のきゅうりの漬物を肴に味わう様子が描かれます。

9合め:お台場♡軍艦恋物語

松子と伊達さんの関係は順調なようで、カップ酒飲み比べ会の話が出たり、お台場デートに誘われたり、仕事帰りにばったり会えたりと、ニヤニヤが止まらない展開です。

お昼間から日本酒もいただけるイタリアンランチからの、交際お申込み……これはもう、OKしかない展開ですよね。
「はい」か「YES」か「OK」の選択肢から選ぶしかない

そしてやっぱりスマートにリードしてくれる伊達さんが素敵!

こうして松子は趣味の合う彼氏をゲットしたわけですが……幸せに浸りきれないのがアラサー女子の感覚ですかね。付き合い始めの今が一番かもって思うのは、私も共感してしまう。

そんな松子に対し白石から「酒と恋には酔って然るべき」発言が出てきます。

千福 夏にごり(三宅本店/広島県)

アルコール度数低いタイプの夏限定にごり酒。
にごりだけど、もろみが細かく、さらっとした飲み心地で松子もご満悦。炭酸割りもおすすめとのこと。

10合め:勝負のひやおろし

伊達さんとの交際が始まったものの、ここにきて今泉くんから一緒に飲みませんかと誘われ複雑な展開に。
お互い付き合ってる相手がいる状態なのだから、2人きりはやめとこうよと諭す松子。とはいえ、突き放しすぎたかと悩む気持ちも出てきます。

そんな松子を伊達さんは良い感じに受け止めてくれるのでした!
うーん、こういう大人の対応ってやっぱり惹かれるんだよなぁ……

そして話は、ひやおろしの話題に移り、連休お泊まりデートへ。ひやおろしが出てきて季節は秋、3連休がということなので9月かな。

船中八策 ひやおろし(司牡丹酒造/高知県)

ひやおろしを楽しもうということで、伊達さん宅で松子が一緒に飲んだお酒。
肴には脂の乗った土佐の戻りガツオを伊達さんが用意してくれます。あと、ゆで四方竹。
地酒×郷土料理の組み合わせは、それだけで優勝ですね。

11合め:カップ酒でやらかして

カップ酒で晩酌しているのをまたもやイジられ、憤慨する松子。でも、伊達さんとはカップ酒飲み比べ会の約束をしっかり取り付けています。
カップ酒の登場がしばらくなかったので、久しぶりに出てきてなんか嬉しい

9月の連休は伊達さんのところにお泊まりしたので、今度は松子宅に伊達さんを招いての宅飲み。伊達さんもおすすめのカップ酒を持ってきてくれます。こういう持ち寄り合って一緒に飲むのも良いですよね!

松子が用意したおつまみには、アボカドと茗荷のサラダ。これはちょっとマネしてみたい。

そして、松子がいつか恋人と飲むようにと、1巻にてペアで購入した酒器が役に立つという……うんうん、願いが叶ったって感じで感慨深い気分になるポイントです。

真澄 銀撰パールライトカップ(宮坂醸造/長野県)

今泉くんから……と思ったら、ちゃっかり彼女になってた美森さんからのお土産として松子がもらったカップ酒。紙カップだけどレンチンにも対応しているので、温度による味わいの変化も楽しめる仕様です。
また、飲みすすめるとカップの中の文字が見えるようになって、信州の豆知識がしれるという仕掛けも面白いですね。

ふなぐち菊水 一番しぼり(菊水酒造/新潟県)

こちらは伊達さんが持ってきてくれたおすすめカップ酒。
コンビニやスーパーでも入手しやすいヤツですね。
原酒で度数高いけれど、冷やして飲むと口当たり良くて……ちょっと危険なヤツでもあります。

純米吟醸 唐猫様 トンボ 花の舞酒造謹製(花の舞酒造/静岡県)

こちらも伊達さんからの差し入れとして登場。
猫のデザインが可愛らしい、カルディ限定のカップ酒です。
1個のカップ酒を分け合って飲むってシチュエーションも良いですね。

12合め:恐怖の女子会スパークリング

今泉くんと伊達さんから、ほぼ同時にメッセージが届いたので、誤送信してしまう松子。あわや墓穴と思いきや、ここでも伊達さんは大人の対応で上手く受け流してくれます

そして、今泉くんをかっさらっていった美森さんから女子会のお誘いを受け、日本酒のお店に行くことに……。
スパークリング日本酒にフルーツやカキの天ぷらという組み合わせで、なんだかんだ和やかに会は進行しますが、美森さんから衝撃の告白が……!

伊達さんと距離を置かれてしまったのではと不安になることもありましたが、思い切って連絡してみると意外な方向に進み、なんやかんやで良い感じに。
季節は冬に入ったようでクリスマスの話題も出てきます。

七賢 スパークリング 星ノ輝(山梨銘醸/山梨県)

シャンパンのように飛び出す可能性があるので、開栓注意の発泡系日本酒。パーティーの乾杯にも良さそうです。

2巻全体の感想

1巻では今泉くんの対応に煮え湯を飲まされた感じ(?)でしたが、2巻では伊達さんという素敵な年上男性との出会いもあり、松子の恋も充実!
随所に伊達さんの年上らしいリードや大人の対応が見られました💖

でも、今泉くんは職場が一緒だし、席が隣だし、先輩としては無碍にできない
さりとてあまり親しくしすぎるのも……今泉くんとつき合ってる美森さんも同じ会社だしで、松子は接し方に頭を悩ませています……。

このまま何もなくそれぞれ別の人と付き合って、めでたしめでたし……では、漫画としては面白くないですもんね。何かしらかヤキモキする展開がないと。

そして季節は夏から秋の様子が見られ、初夏の梅仕事や夏にぴったりな爽やかさを強調したお酒、秋には「ひやおろし」も出てきました
日本酒への知識も深まるのは、酒飲み的に楽しいですね。

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