【ネタバレ感想】琥珀の夢で酔いましょう4巻
クラフトビールイベントを成功させた3巻でしたが、4巻では七菜と鉄雄のエピソードが中心です。
特に鉄雄は写真家としての今後も考える転機が訪れるようで…
表紙のイラストは醸造所見学エピソードとリンクしたものですね。
イベント開催のためアルバイト入りした知愛もレギュラーメンバー化し、七菜も職場での人間関係に少し変化が見えてきます。
醸造所の見学やスイーツとビールのペアリングもあり、クラフトビールをさらに奥深く知れるのも見所です。
第17話 Brand New Wave Upper Alcohol
白熊でおせちの試食を募っていた隆一のところに、アルバイトの柳知愛(ユ・ジエ)がやっきます。
続いて試食にやってきた七菜と鉄雄は、どんよりとした空気をまとっている様子。
七菜は職場で提案されたクラフトビールイベントが受け入れられ、まとまりつつある様子にモヤモヤがたまっています……
そんな空気のなか、とりあえずおせちでも食べながらと場が進みました。
仕事でも取り組みたいと思っていた、クラフトビールイベントが形になりそうで嬉しい反面、自分の意見だけでは現場を動かせない状況に七菜は打ちひしがれていました。
うーん、悩ましい!
派遣社員の自分が発案したときはダメだったのに、正社員が意見したら通るのかよっていう理不尽さ!
でも、クラフトビールのイベントは仕事でもやりたかったから良い流れで、っていうジレンマ。
そして、白熊もいち飲食店としてイベント参加が決まり、新たな企画が動き出します!
QUO VADIS(奈良醸造/奈良)エクスペリメンタル・ビール
白熊でのおせち試食にと出されたクラフトビール
元々は鉄雄が仕事で奈良に行く予定があるからと、地ビールのリサーチに購入したものでした。
もちもち泡で炭酸強め、爽やかな後味。
CHROA VIVIAN(夢麦酒太田ブルワリー/群馬)ベルジャンスタイル・トリペル
七菜が好きそうだからと、隆一が用意していたビールのひとつ。
瓶の説明文が難解だが…味は呑めば分かる! バナナ系のフルーツ香に、スパイシーな後味。
CHROA TAMBOURINE(夢麦酒太田ブルワリー/群馬)クラシック・セゾン
CHROA VIVIANと共に用意されたビール。
こちらは爽やかな飲み口ながら苦みが強く、しっかりとした味。
のんびりふんわり白ビール(エチゴビール/新潟)ヴァイツェン
白熊のおせち試食に滑り込んできたMAKOTOが持参したビール。
白熊の缶デザインが可愛らしく、軽やかな口当たりと甘味の飲み口。
第18話 Moves Like Jackal
今回は自身の写真家活動のこれからを考える鉄雄の回。
移動中の車内にて、旧友との会話やかつての風景を思い出しつつ、山の上にある画家の家での打ち合わせへ向かいます。
お土産のクラフトビールを飲みながら打ち解けつつ、仕事の話をする中で、鉄雄は厳しい意見を突きつけられ、苛立つ展開に!
思わぬイケズキャラの登場ですね!
Feral Beast-野犬-(京都ビアラボ/京都)ダブルIPA
鉄雄が奈良での打ち合わせ時に、京都土産として持ち込んだビール。
最初はマイルドな印象を受けるものの、後味にガツンとくる苦みが特徴的。
第19話 詩的私的ベーシック
前話からの続きで、鉄雄が1人、駅でぼんやりしていると隆一と知愛が姿を見せます。
どうして2人が奈良にいるのか不思議に思いつつも合流し、一緒に奈良醸造へ。
ビールの仕入れと試飲、醸造所を見学する展開に。
そして醸造家の思いを直に聞き、自分の作りたいものや仕事の責任について鉄雄は考えていきます。
実在の醸造所や醸造家なども登場するのは、作品の見どころでもありますね。
INTEGRAL(奈良醸造/奈良)セゾン
奈良醸造に赴いた白熊メンバーが飲んだビール。
フルーティーで華やかながら、苦みもあり、スッキリと抜ける香りが心地よい味です。
第20話 シュガータイムとビタートリップ
話は七菜の視点に戻って、会社でのクラフトビールイベントで組むことになった桂木修道を白熊へ誘うところからはじまります。
しかし、いまひとつ当を得ない修道の様子に、七菜は疑問を抱きます。
そして白熊でスイーツとビールのペアリング会が始まります。
七菜のことが気になる慎も駆けつけて、賑やかな集まりに。
ビールを飲めるのか飲めないのか、曖昧な受け答えをしていた修道でしたが、普通にビールを飲んでペアリングを楽しんでいる様子。
そして打ち解けてきたころ、彼は自身の抱えているトラウマを告白します!
修道は過去、ヤリモク最低野郎のもらい事故に巻き込まれたんですね……。
ターゲットにされた子は機転を利かせて逃れさせたものの、そういうことがあるとお酒を楽しめなくなっても無理ないです……
JAZZBERRY(スプリングバレーブルワリー/東京・神奈川・京都)フルーツビールタイプ
スイーツとのペアリング案として、レモンクリームチーズパイとの組み合わせを七菜が提案。
見た目は赤く目を引くが香りはビールらしさがあり、甘酸っぱい味わいのフルーツビールです。
そして温めてアルコールや炭酸を飛ばすと、ホットワインのような飲み方もできる意外性も(アルコールは死にます)。
TOSACO 赤しそサワーエール(高知カンパーニュブルワリー/高知)サワー
定番人気のコンビニスイーツ、プレミアムロールケーキと合わせてはと隆一が出してきたビール。
淡いピンクで軽い飲み口。
紫蘇といわれればという感じだが、苺のような匂いにも感じられる味だそう。
茶かぶき(家守酒造/京都)ジャパニーズセゾン
桂木が持ってきた和菓子に合わせるビールはと悩んでいたところ、隆一が出してきたお茶と柚子皮を入れたビール。
苦みが独特で、お茶のような雰囲気もあり、和菓子と合わせやすい味。
番外編(第18.5話) 鉄風 鋭く吠えて
番外編は鉄雄のエピソード。
海外で活動を続けたいがアーティストビザが下りずに苦悩し、日本に戻る決意をするのですが、日本に戻っても思ったような仕事はできず……
これまでを振り返り、遠くへ行きたいと足掻いてきたのは、ただ逃げていただけかと内省する話が語られます。
琥珀の夢で酔いましょう4巻全体の感想
またちょっと、メイン人物の過去や抱えるものが明らかになって、方向性が見えてきた感じがする4巻。
そして、七菜の派遣先にいる修道も仲間入り。
最初は考えが読めなくて警戒していた七菜でしたが、試飲会の一件で誤解は解けたというか、打ち解けられて、一緒にクラフトビールを楽しむ仲間が増えた感じです。
でもって、七菜を心配して駆けつけちゃう慎……。
モヤモヤさせられることもありましたが、クラフトビールの大きなイベントに七菜も関わることとなり、今後の展開に注目です。
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