失敗しにくい果実とは?自家製果実酒作りをやってきて思うこと

2020-05-27

ブログのアクセスをチェックしていると、自家製果実酒を作った人の体験談を求めていらっしゃる方がちょこちょこいらっしゃる様子。
改めて内容を見直して、自家製果実酒を作る人のヒントになるよう、記事をまとめ直しました。

筆者の自家製果実酒歴

2019年からちょこちょこ漬け始め、2020年からは毎年梅酒の仕込みは欠かさない
他の果実は気が向いたらという感じで、現在気ままに果実酒作りを楽しんでいる

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自家製果実酒を作るなら、最初は梅酒がおすすめ!

自家製果実酒をやり始めた頃、私はあえて梅酒に手を出さなかったんですよ。
理由は、定番過ぎて面白くない気がしたからという、なんともしょうもないもんなんですが……
でも、やっぱり最初に挑戦するなら断然、梅酒がいいと思います!

梅酒が果実酒入門におすすめな理由

梅酒が果実酒入門におすすめな理由はいくつかあるんですけど……

  • 失敗する可能性が低い
  • 価格が手頃
  • 漬け込むお酒をいろいろ変えて楽しみやすい

このあたりですね。

梅の実ははっきりとした香りがあり、果肉も柔らかいほうですし、1個1個が程よい大きさで扱いやすいです。
リンゴや梨は適当な大きさにカットしないといけませんし、果肉が固いので、果物の味わいを抽出するのにどうも時間がかかる……
結果、なかなか思った仕上がりの果実酒が作れない、挫折や失敗につながっちゃうんです。
じゃぁ、果肉が柔らかい他の果物をと考えると……ブドウは法律的にアウトですし、イチゴやサクランボは1個1個が小さくて洗って水分を拭き取るのが面倒。
柑橘系やプラムは皮むきが手間だし、イチジクやキウイは香りがあまり強くないほうなので、漬け込んだお酒の風味に負けてしまって果実感が出しづらい。
やっぱり果実酒に失敗しちゃう要因です。

そして、コスト的なことを考えると、桃やマンゴー、パイナップル、メロンとかはちょっと、果実酒に使うには高価な感じがして気が引けますよね?
果肉柔らかいし香りもはっきりしてるから、適当な大きさにカットさえすればいいんですけど……漬け込むよりもそのまま食べたい人が多いんじゃないでしょうか?
そのてん、梅の実はシーズンになればお手頃価格でスーパーや八百屋さんに出回ります。
(地域によりますが、5月下旬から遅くとも7月頃まででしょうか)

また、梅は香り・味ともにはっきりとしているので、漬け込むお酒をいろいろ変えて、違いを楽しむこともしやすいです。
風味の強いお酒(ウイスキーとかブランデーとか?)に漬け込んじゃうと、果物の風味が感じられなくなるものもあって、ただ甘いお酒ができてしまう……
梅酒はそういう失敗リスクも低いです。

果実酒を作りやすい果実・作りにくい果実

果実酒を作りやすい果物の条件は「香りが強い」ことと「果肉が柔らかい」ことです。
以上の条件でザックリ表に分けるとこんな感じですね……

香りが強い香りが弱い
果肉が柔らかい梅(比較的扱いやすい)
イチゴ(粒が小さくて扱いが面倒)
ミカンや八朔などの柑橘類(皮むきが面倒)
桃・メロン・マンゴー・パイナップル(果実酒にするには高価)
ブドウ(法に触れるので漬け込み厳禁)
キウイ・イチジク
果肉が固いリンゴ(品種による)梨(品種による)
柿(品種による)

この2つの条件を満たして、なおかつ扱いやすくて値段が手頃、法律的に問題ないものと考えると、断然梅なんですよ。

香りが弱い果物を使うときは、使用するお酒の種類もよく考える必要があるでしょう。
風味の強いお酒は使わず、シンプルにホワイトリカーや麦焼酎・米焼酎、果実酒用の日本酒あたりが無難ですかね……

果肉が固い果物で挑戦するときは、なるべく香りの強い品種を選び、気長に漬け込みましょう。
そして、小さめにカットして漬け込むと果物の味が抽出しやすくなると思います。

最初に梅酒を作らなかった私の果実酒成果

……とまぁ、梅酒の良さをアピールしましたが、私の果実酒成果をまとめておきます。

リンゴ酒(残念な出来映え)

評価:★★

そもそも果肉が固いこともあり、美味しく飲めるようになるまでかなり時間を要しました。
そして、選んだ品種があまり果実酒作りに適さなかったのか、リンゴの香りや味わいがあまり感じられず、残念な出来栄えに……。
リンゴ酒にするなら、陸奥(むつ)のような香りの強い品種がいいですかね。
青りんごだったら、王林が香りの強い品種かな?

はっさく酒(美味しくできました!)

評価:★★★★★

皮が厚く、むくのがちょっと大変でしたが、果実と一緒に皮も少し漬け込みました。
最初、皮の成分などによる苦みが強く出てしまい、「イマイチ?」と思ったのですが、時間と共にまろやかになり、炭酸などで割ると丁度いい味わいになりました。

皮むきの手間はありますが、それさえクリアすれば柑橘系果物は果実酒を作りやすい方だと思います。
また、漬け込む際は皮も一緒に漬けて、皮だけ1~2週間で取り出すのがコツです。
(皮のところに香り成分が多いけれど、皮からは苦味も出てしまうので)

イチゴ酒(とても美味しくできました!)

評価:★★★★★

ジャム用の、不揃いなタイプの苺が安かったので購入し、作ってみました。
漬かるのも早く、赤く染まった可愛いお酒。味も美味しくて、あっという間に飲み切ってしまうのでした。
ただ、一粒ずつ洗って水分を丁寧に拭き取って……っていうのが面倒でしたね……

キウイ酒(失敗したかな…)

評価:★

見切り品のキウイを気まぐれに購入して漬けたのですが……
キウイを漬ける場合は、熟しきっていない、実の固いものの方が良かったようで、なんだかぼやけた味になってしまいました。
熟し切ってない時のほうが、キウイらしい香りがはっきりあったと思うんですよね……

梨酒(残念な出来映え)

評価:★★

リンゴ酒同様、なんだか梨の美味しさが引き出せないまま終わってしまいました……
果肉の柔らかい洋梨を使っていたら、また結果は違ったかもしれません

柿酒(残念な出来映え)

評価:★★

リンゴや梨よりは果物の感じが出た気がするものの、パッとしない残念な仕上がり。
柿自体、香り芳醇な果物でもないので、印象が薄くなってしまったかもしれません。

遠回りした結果、梅酒が自家製果実酒の定番になった

そんな果実酒の成功と失敗を体験したのち、梅酒が自家製果実酒の定番となりました。
今年(2024年)ももう少ししたら梅の実が出回るシーズンですね。
その他の果実酒も時々挑戦してはいるのですが……期待通りの味にできるかはなかなか難しいです。
大人しく、酒造メーカーや酒蔵が造る果実酒をいただいたほうが、美味しさの近道のようにも感じています。

果実酒の作り方(ざっくり)

詳しくは酒造メーカーのサイトだとか、料理研究家の方のページだとかに説明されていますので、最後にざっくりとした内容に留めておきます。

材料

漬け込む果実(ブドウや穀物類を使うと酒税法に引っかかるのでダメです)
アルコール度数20度以上のお酒(20度未満のお酒だとこれまた酒税法に引っかかります!)
氷砂糖や黒糖などの糖類(ゆっくり溶けるものがよい)

手順

  1. 漬け込みに使う瓶を消毒
  2. 漬け込む果物類をきれいに洗い、水気をしっかり取る(必要なら皮むき・カット・芯抜きなどをする)
  3. 瓶に果実類と糖類を入れる
  4. 瓶にお酒を静かに注ぐ
  5. 時々様子を見て、1~6か月くらいで飲み頃になる

……そう、何を漬け込むかによって、飲み頃になるまでの時間はものすごく幅があります!
モノによってはさらに熟成させ、まろやかな味にした方が美味しかったり……で。

果実酒は時間が作るものでもあるのだなと。

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