手取り15万円で老後資金2000万円目指すとどんな生活になるか?
いつぞやタイムラインで見かけた某記事。月収20万円台でも1,000万円貯めたというタイトルで、本文を見たら共働きで世帯収入が月に50万円あって……っていう😓
タイトルと本文がミスマッチすぎて炎上……まで行かないにしても、残念な事になっていたのを見て、なんだかなー…という気分になりました。
では、生活費を手取りの中から捻出しながら、しっかり貯めるプランを考えるとどうなるのか……自分なりに試算してみることにしました。
広告朔子(仮名)はシングル・一人暮らし・派遣社員で手取り約15万という条件
手取りで15万円なので、朔子(仮名)月収は19万円くらいでしょうか。
1日8時間、週5日勤務で、月に160時間働いてこの月収とするならば、時給は1,187.5円という計算になります。
時給はざっくり1,200円と考えることにします。
……最低賃金と比べれば、良いお給料もらってるように見えますね。
さてさて、この報酬額は、高いのか安いのか?
なお、派遣社員なので、交通費支給やボーナスはないものとします。通勤は徒歩か自転車ですね。
昇給の見込みもほぼありません。派遣会社によっては、本人の勤務実績や能力によって、3か月とか6か月とか契約更新のタイミングで交渉してくれるかもしれませんが……私が某大手人材派遣会社からとある大企業に派遣されてたときは、1円も上がりませんでした。
朔子(仮名)はこの条件でひたすら働き、老後資金として2,000万円を貯めてもらいます。
毎月貯蓄に回せる金額はどれくらいになるのか?
さて朔子(仮名)は、毎月いくら、貯金に回せるでしょうか?
なるべく生活費を抑えて、月の出費を試算すると……
家賃:50,000円
光熱費:8,500円
食費:20,000円
日用品費:5,000円
被服費:10,000円
ケータイ代:3,000円
……こんなもんでしょうか?
私自身が現在シングル・一人暮らしなので、経験則に基づく金額を出しております。
これだと、月の支出は10万円以内に収まるので、毎月5万円を積み立てられます!
年間60万円を貯金に回せるなら、34年後には2,000万円に届きますね!
朔子(仮名)がアラサーならば、65才になる頃には、しっかりとした老後資金が用意できるってことです。
手取り15万あれば十分!
……果たしてそうでしょうか?
家賃5万円で住める物件ってどんな感じ?
私が現在、一人暮らししている賃貸物件は、1K・浴室トイレ別・独立洗面台あり・2口ガスコンロのキッチン・オートロック付きという感じで、家賃6万円ほどです。
朔子(仮名)は私よりも、家賃を1万円安くしなければならないので、家のグレードが下がるでしょう。
このあたりは住む地域や最寄り駅からの距離でも違いが出るので、一概にいえない部分でもありますが……1R・ユニットバス・1口コンロのミニキッチン……とか、そんな条件になるのではないでしょうか?
あるいは駅から遠いとか、築年数がかなり経ってるとか、水回りが古くて使いにくいとか……。
しかし、贅沢言えません!
朔子(仮名)は手取り15万円で、2,000万円用意しないといけないのですから!
一般に家賃は手取りの1/3までにしよう、と言われてますしね。
光熱費月平均8,500円は私の実体験による金額です
さて光熱費を今回8,500円と設定しましたが、これは私が直近1年に使った光熱費の月平均に基づきます。
内訳としては電気代3,700円、ガス代2,800円、水道代2,000円です。
洗濯は2日に1回くらいのペースにしており、浴槽の残り湯も使ってます。
電気・ガスは特別節約を意識しているわけではないですが……エアコンの温度設定はかなり絞ってますね。
本当はもう少し、冬の温度設定を上げたいのですが……もっと収入が増えてから考えることにします。
真冬でも浴槽に浸かるのを諦めてシャワーだけで行けるのなら、ガス代・水道代はもう少し節約できるかもしれません。
3食自炊を頑張れば月の食費2万円は可能と思います
私は外食好きなこともあって、最近食費が嵩んじゃってます(反省)
でも頑張って自炊にこだわってた時期もあり、その頃は2万円以内に済ませていました。
なので朔子(仮名)も自炊を頑張って、お昼ごはんはお弁当。食材の購入は格安スーパーを利用して、節約に努めてください。
あるいは1日2食にするっていうのも、結構食費が抑えられます。
(それが良いかどうかは別として)
日用品と被服はいくらくらいがベストなのか?
日用品費と被服費については、ちょっと適当に出してしまったかも……?
とはいえ、実際私が毎月日用品に使ってる金額は平均して5,000円くらいなので……高級なものを選ばなければ、現実的なラインではないかなと思っています。
被服は月1万なので、オシャレなブランドは諦めましょう。
ボーナスが貰える身ならば、ご褒美としてたまに高級な服を買ってオシャレを楽しむのもいいでしょうが、そんな余裕は朔子(仮名)にはないです。
機能性に優れたファストファッションと、古着などでうまいことコーデしてください。
格安スマホの一番安いプランなら月3,000円以内でしょう
格安スマホ、色んなブランドが最近出ていて目移りしちゃいますね。
節約して貯蓄を増やさなければならない朔子(仮名)も、格安スマホを使ってもらいましょう!
月2~3ギガくらいの、一番安いプランなら2,000円台で設定されてるので(2,000円切るものもありますし)、これしか選択の余地はありません。
果たしてこの生活を30年以上続けることは可能なのか?
私自身の一人暮らし体感から導き出した試算により、月の出費を10万円以下に抑えられれば、手取り15万円でもしっかり老後資金が貯められそうです。
計算上は。
……何か見落としていないでしょうか?
医療費を考慮していません
何らかの病気・怪我でお医者さんに行きたくても、医療費を捻出する余裕はありませんよね?
月5万の貯金はあくまでも老後資金2,000万円を達成するためのもの。
もしものときに備え、治療費のお金を用意したいなら、もっと生活費を切り詰めて蓄えなければなりません……
民間の医療保険にも入っていないので、大きな病気・怪我になった時点でアウトです。2,000万円を貯める計画が狂ってしまいます。
家具家電の買い替えは? 賃貸の更新費用は?
30年以上生活するとなれば、どこかのタイミングで家具や家電の買い替えが必要になるでしょう。
それに賃貸物件に住んでいるなら、定期的に契約更新があり、更新費の支払いがあります。
火災保険とか家賃保証保険とかもありますよね……その支払はどうするのか。
この試算では、そんなもん考慮してません。
医療費と同じく、これに備えておくなら生活費をもっと切り詰めないといけません。
さらに言わせてもらうと、30年以上同じ賃貸物件に住み続けられるのか?
家賃の値上がり(物件の老朽化により下がる場合もあるけれど)や、建物の取り壊しで出ていかないと行けなくなる可能性もあります。
多少は新しい物件に移るための費用を大家さんがなんとかしてくれたりとか、あるかもしれませんが……備えておかないと路頭に迷いそうです。
娯楽に使うお金がありません
なにより日々の生活として問題なのは、趣味・娯楽に使えるお金がないというところではないでしょうか?
朔子(仮名)が持たない暮らしを極めたミニマリストで、節約と貯金が趣味で生きがい!
……ならば問題ないかもしれませんが……
友達との食事会なんて無理ですし、旅行なんて当然いけませんし、普段の買い物だって徒歩か自転車で行ける範囲ってことになります。
交友関係は大丈夫でしょうか?
使ってるスマホも一番安いプランなので、気をつけないとすぐに通信速度制限になるでしょう。
スマホゲームを無課金で楽しむにしても、通信容量が心配です。
そんな生活、30年以上続けるなんて……できるんでしょうかね?
もっと言うと……
美容室なんて行く余裕ありませんから、髪は自分で切るかカットモデルになってタダで切ってもらうしかない。
化粧品とかもプチプラコスメをうまく使うしか選択肢はなく、デパコスのカウンターには座れません。
冠婚葬祭があったときのご祝儀・香典などは、どこから捻出するのでしょう……?
NHK受信料のことも考えてないです。
問題点を修正して再度試算した結果……
さて、最初に掲げた手取り15万円のうち、月5万円を貯金に回すのは、色々と粗があると判明しました。
最低でもいざというときの医療費や家具家電の買い替え資金、賃貸更新時の費用への備え、あと少しくらいは娯楽に使うお金を考えて、再試算します。
家賃:50,000円
光熱費:8,500円
食費:20,000円
日用品費:5,000円
被服費:10,000円
ケータイ代:3,000円
医療保険:2,000円 追加
賃貸更新や家財買換積立用:10,000円 追加
交際費:5,000円(使わなかった分は繰り越し) 追加
その他雑費:5,000円(娯楽など) 追加
このプランだと、毎月の支出は118,500円。
貯金に回せる金額は31,500円となり、年間378,000円……これで2,000万円を貯めるには、約53年……厳しい!
朔子(仮名)が20才だとしても、53年後には73才ですし、そんな年齢まで時給1,200円で働かせてくれる派遣会社があるのでしょうか???
それでは、ただ貯金するのではなく、複利運用しましょう!
年利3%で35年間複利運用します!!!
この条件なら、35年で2,000万円以上になります!!!
アラサーの朔子(仮名)が65才になる頃には、十分な蓄えができていますよッ!!!
朔子(仮名)がずっとシングル・一人暮らしならこれで良いのかもしれませんが
しかしこのプランだと、朔子(仮名)は結婚も出産もしない人生ですね。
もちろん、結婚も出産も個人の自由なので、しない人生もOKです。
本人がそう望むのであれば。
もし結婚・出産を望んでいるのであれば、この手取りはかなり厳しいのではないかと思われます。
かなり節約した生活をしている状態なので、結婚相手を探しに行く余裕がないですよね?
すでにお付き合いしている相手が居るのなら、問題ありませんが……相手が朔子(仮名)以上の収入・手取りがあるとか、実家からの援助があるとかでないと、教育資金もカツカツではないでしょうか?
あるいは朔子(仮名)がひとり親だったら……?
どう考えても行政や実家の助けがなければ、無理でしょう。
それに結婚・出産をしないおひとり様を極めるにしても、シングルの魅力って、自分の稼いだお金を自分の好きなことに使えるっていう部分が大きいはずで……
ボーナスも昇給もない、手取り15万円の節約生活を何十年も続けた先にある、老後の2,000万円だけが目標のライフスタイルって……なんか……なんか……哀しくないでしょうか?
あと、試算した複利運用の話だって、そうそううまいこと毎年3%の利益を出せるとは限らないわけで……
うっかり欲をかいてリスキーな投資をしてしまったら、リカバリー不可能な事態にも……
手取り15万円で2,000万円は貯められるけど問題も多いよって話
節約生活を30年以上続けて、複利運用すれば一人暮らしのシングルが手取り15万円で2,000万円以上貯めるのは可能です。
でも理論上の話になってきますし、実態はいろいろと制限された生活ですし、私には無理です。
また朔子(仮名)の年齢が20代~アラサーであれば、65才時点までに2,000万円以上の貯金ができますが、それ以上の年齢であるのなら、もっと月の貯金額を増やす必要があるわけで……
やはり手取り15万円が問題なので、朔子(仮名)には収入が上がるよう、転職や副業を考えてもらうしかありません。
こんな記事を書いてる私も、朔子(仮名)ほどじゃぁないですが、今の収入でずっと……ってのは厳しいなーって、思ったので副業に取り組むようになったわけです。そして今……
あと、所得が低い層への社会的救済、全体的な所得アップ政策、税金や公的保険料とか……そういった問題への政治的アプローチも切に願います。
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