FP資格は仕事に使える?使えない?試験に合格したWebライターが気付いたこと
田貫朔子は、2021年5月の試験でFP(ファイナンシャル・プランニング技能検定)2級に合格しています。
一応、案件に応募する際はアピールポイントにできますし、それきっかけでライターの仕事に繋がったこともありました。
だから一応、FP2級合格は「仕事に使える」ものではあると思っています。
でも、FP試験に合格したからといって、必ずしも高単価が約束されるわけではありません。
求められる内容も難しくなり、大変なこともあるんですよね……。
そんな自分の実体験にもとづくお話です。
広告FP(ファイナンシャルプランナー)は独占業務がありません
「仕事に使える資格」の定義は状況によって変わると思いますが、その資格ないとできない仕事というものは存在します。
- 行政書士…官公庁提出書類や権利義務・事実証明に関する書類の作成
- 司法書士…登記手続きの代行
- 公認会計士…監査業務
- 社労士…労働や社会保険に関する申請書類の作成と手続き代行
- 弁理士…特許・実用新案に関する申請業務代行や仲裁事件の手続き代理
ざっといくつか挙げましたが、他にも弁護士とか医師とか看護師、薬剤師も資格を持っていないと就けない仕事、つまり独占業務があります。
しかし、ファイナンシャルプランナーには独占業務がありません。それでいて、税金のこととか保険や不動産、相続に関する知識などが問われる試験内容です。FP試験に合格すれば知識の証明はできますが、具体的な指示や手続き代行など、できないことばかりなんですよね。
ファイナンシャルプランナーができることは、法令や社会福祉制度をもとに、一般的な意見を述べ、相談に乗る程度です。
そして、それは別に独占業務ではないため、FP試験に合格していなくても、必要な知識があれば誰でもできます。
乱暴な言い方をしてしまうと、誰でも「ファイナンシャルプランナーです」と名乗れますし、ファイナンシャルプランナーの仕事ができます。
だから、FP試験合格者という肩書きは、最低限必要な知識を持っているかを判断する程度のものです。
とはいえ知識の証明にはなる
ファイナンシャルプランナーに独占業務はありませんし、FP試験に合格していなくてもファイナンシャルプランナーの仕事はできます。
じゃぁ、FP試験を受けることに意味がないのかというと、そうではありません。
ファイナンシャルプランナーに求められる知識の証明になりますし、保険や金融関係の職場だと、受験を推奨するケースもあるようです。
(不動産系の職場でも役立つ部分はありますが、こちらは独占業務のある宅建士のほうが推奨されるでしょう)
また、試験を受ける・合格するという、学習の目標設定にもなりますし、合格できれば達成感や自信につながります。
そういう面では、独占業務はなくても無意味な資格ではないと思います。
FP試験に合格しているとWebライターの仕事に有利なのか?
さて、本題。
FP試験に合格していると、Webライターの仕事をするうえで有利に働くかということですが、個人的な見解としては「ないよりはいい」です。
FP資格持ちのWebライターを探しているケースはあります
実際にFP試験に合格しているライターを求める案件は存在しますし、そこからお付き合いの始まったクライアントさんもいます。
お仕事をいただくにあたっては、合格を証明する資料提示を求められたので、合格通知という証があるのは有利だったと思います。
FP試験合格者のライターを求めるジャンルはというと、保険や金融関係ですね。
そして、案件によってはそこそこいい単価を期待できる分野でもあります。
だから、FP試験に合格していれば、保険や金融系ジャンルで好条件の案件を受注できる可能性は高まります!
保険・金融系のジャンルは執筆が難しい!
高単価を期待できて、FP試験の合格が有利に働く保険・金融系ジャンルの執筆ですけど、良いことばっかじゃないんですよね。
クライアントさんにもよるんですが、私はものすごい挫折を経験しましたし、何なら一時期仕事が回ってこなくなりました。
恐らく「期待外れ」だったんでしょうね……
「FP試験合格者なのにこの程度のもんしか書けないの?」って、思われたんだと思います……
その後、何とか信頼を回復して、別分野の記事案件を回してもらえるようにはなりましたが……
もしも私が、ファイナンシャルプランナーに必要な知識に精通し、常に最新の法令を把握して、ファイナンシャルプランナーとしてのアドバイス実績豊富なWebライターだったなら、クライアントの求める記事を一発で書けたでしょう。
しかし、残念なことに私はただ、試験に合格しただけ、最低限の知識を持っているだけでした。
毎回、必要事項は調べて、最善は尽くしていてんですけれど赤入れられまくりで、正直メタメタにやられた感じです。
FP資格者としてWebライターになるなら、常に学習が必要
FP有資格者としてWebライター活動するなら、試験に合格しただけではダメです。
試験合格はあくまでも最初の実力証明で、クライアントが満足できる高品質な記事を執筆するには、必要な知識を学習し続けなければなりません。
なんなら、ファイナンシャルプランナーとしての実務経験を積んで、そちらでも報酬が得られるくらいにならないと、「FPでライターです」なんて、名乗れないと思います。
だから、私は一応、FP試験合格者である旨は表に出しますけれど、積極的にFP知識が求められる案件は取りに行かなくなりました。
FPだと監修者の仕事を持ちかけられるケースあり
FP2級合格ということをプロフィールに入れたことから、「保険・金融系記事の監修者をやりませんか?」と、声をかけられる機会もありました。
ファイナンシャルプランナーとして、シッカリ記事内容を確認して監修できるなら、よい話だと思います。
でも、私は力不足であると感じて辞退しました。というか、辞退せざるをえませんでした
提示された条件はとても良かったんです。
だけど要求される能力と、ファイナンシャルプランナーとしての実績が私にはないと実感していました。
経済学部卒であるとか、保険や金融関係の職歴だとか、ファイナンシャルプランナーとしてのアドバイス経験とか、そういったものは私にありません。
ただ、試験に合格しただけなの、いわばペーパードライバーのような存在ですから、監修すなわち公道で車を乗り回すなんてとてもとても……
FP試験の合格実績は有利に働くけれど、自分の力量と合うかは別問題
というわけで、FP試験の合格実績はWebライターの仕事に役立つところはあるけれど、それがあれば高単価な仕事が楽に取れるわけではありません。
もちろん、保険・金融系の記事を各媒体もいろいろですし、保険商品を比較するアフィリエイトサイトか、保険会社が運営するメディアのコラムなのかでも、難易度は違います。
レギュレーションが全然違いますし、シッカリしたお堅いメディアほど、表現にとても気を使います。
情報ソースとして参照できるサイトも限られ、公的資料を求めて右往左往、法律条文を読み解くのに四苦八苦みたいな経験をしてきました。
そうやって必死に書き上げても、赤が入りまくりで……
きっと、ただ試験に合格しただけのペーパーFPではなく、きちんとした実績あるファイナンシャルプランナーの人なら、もっと楽に書き上げて、クライアントを満足させられたんだろうなと思うと……悔しさとともに自分が浅はかだったと恥ずかしくなります。
お金の知識を強化する面ではFP試験は大変有意義でした
というわけで、FP試験に合格すれば、高収入なWebライターになれるかというと、それだけじゃ無理なんだよって話でした。
でもね、生きてく上でのさまざまなお金のことを総合的に学べたので、FP2級に挑戦した良かったと思ってます。
使えないムダな資格、とは思ってないですし、大いに役立ちました。
でも、これがあればWebライターとしてウハウハというものじゃないです。
Webライターの方で、好条件な案件を受けられるようにとFP試験をお考えの方は参考にしていただけたらと思います。
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