「酒は百薬の長」は幻? 現代人の酒好きが気を付けたい事柄

筆者は飲み歩きやお酒のイベントにも積極的に参加しているので、酒好きそのものについては否定しません。
そもそも生まれ育った家柄が、両親ともにそれなりにお酒を楽しむ体質だったこともあり、大人になれば誰でも自然とお酒を飲むものだと信じて育ってきました。

飲める年齢になったころ、参加した宴席であっという間にフラフラになる成人を見て、ようやく現実を知りました。
根本的に「飲める」「飲めない」という、体質の違いが存在することを……

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お酒って、良いの? 悪いの?

「酒は百薬の長」という言葉は、昔から存在します。多くの酒飲みが、この名言を信じてきたことでしょう。

「適量の飲酒は良い」とする意見に見られる事柄

度を越さなければ飲酒は良い効果を与えるという、酒飲みにとってありがたい意見。
この根拠は何なのでしょうか?

Jカーブ効果

これは主に、イギリスのマーモット博士が発表した「Jカーブ効果」という調査結果がもとになっています。

日常的に適量の飲酒習慣がある人は、ほとんど飲まない・全く飲まない人よりも、心筋梗塞や冠動脈疾患による死亡率が下がる、というもの。
ただし、大量飲酒する習慣のある人やアルコール依存症による飲酒習慣がある人は、死亡率が跳ね上がります

なるほど、科学的研究に基づく根拠があるのであれば、適量の飲酒習慣はメリットがあると言えそうです。

しかし……
この調査における「お酒を全く飲まない人」は、何らかの事情(病気や宗教上の理由など)でお酒が飲めない人も含まれているようで……

これだけを根拠に「適量の飲酒は良い」と言い切るのは難しいようです。

飲酒によるストレス解消効果

お酒に酔うとフワフワと心地よくなり(個人差があります)、普段よりもリラックスし(個人差があります)、気楽に話ができるようになります(個人差があります)。

お酒の種類によっては、様々な香りや味わいが楽しめるでしょう。

血行も良くなり、気持ちも解れるとなれば、ストレス解消に効果がありそうです。

しかしストレス解消になるからと、お酒に頼り続けていると、様々な病気のリスクが増大し、アルコール依存症に繋がるかもしれません。

お酒の席は仲良くなれるコミュニケーションチャンス!?

飲酒によりリラックスした状態ならば、いつもよりも会話が弾み、関係が深まるかもしれません。

とはいえ、お酒の効果は人により非常に差が大きいものです。
アルコール度数の高いお酒を飲んでも全く変化がない人も居れば、乾杯のビールで顔は真っ赤に・心は彼方に……という人も居るでしょう。
中にはアルコールを少し口にしただけで気分が悪くなってしまう人も居ます。

アルコールに頼ったコミュニケーションというのは、実に危ないやり方なのです。

「少量でも飲酒は悪影響を及ぼす」とする意見に見られる事柄

一見、適量の飲酒にはメリットがありそうでしたが、よくよく見直してみると紙一重で危険な要素が含まれていることが判明しました。

では近年言われるようになった「少量でも飲酒は悪」とする意見はどのようなものでしょうか?

肝臓への負担増加

お酒を飲めば、そのアルコールを分解するために肝臓が働くことになります。
お酒をまったく飲まなければ、肝臓は余計な仕事をしなくて済むということです。

余計な仕事を日々課せられる……会社の仕事に例えるなら、毎日サービス残業をさせられているようなものでしょうか……?
肝臓の職場だけが、ブラックになっていくという……。

ガンリスクの上昇

飲酒とガンの因果関係も研究されており、少量であってもガンリスクが高まるという結果が出ているようです。

となると、やはりお酒は飲まないのが一番!
飲みたい人はそのリスクを知ったうえで、適量を守って……ということになるようです。

大酒飲みじゃなくてもアルコール依存症はやってくる

やはりお酒との付き合い方は、気を付けないといけないということが分かりました。

ではリスクを知ったうえで、毎日適量を飲むのはOKか……?

実はそうとも言い切れません。
毎日飲む習慣がある人は、たとえその量が少量であったとしても、アルコール依存症がやってきているかもしれないのです!

毎日お酒を飲まないと気が済まない人は要注意

アルコール依存症、と聞いて多くの人は毎日大量にお酒を飲み、お酒が大好きな人を思い浮かべるのではないでしょうか?

しかし、実態としては大量飲酒=アルコール依存症というわけでもないのです。

その量に関わらず、習慣として毎日飲む、そして飲まないと納得できない、そんな状態になってしまうのが依存症なのです。

依存症は「治る」という概念のものではありません。
一度陥ってしまうと、ずっと治療を続けることになります。

酒飲みが健康的な生活を送るために気を付けたい事柄

やはりお酒は危険なものであるようです。
未成年の飲酒が法律で禁止されているのも、身体に及ぼす悪影響が重大なものだからなのでしょう。

でもお酒は美味しい……!

酒飲みとしては体に悪いからといって、完全シャットアウトなんてできません!
勿論、妊娠中・授乳期間中や病気治療中などは禁酒すべきですが、リスクを知ったうえで、適量を楽しみたい、というのが酒飲みの願いではないでしょうか?

ではお酒を飲む時に、少しでもリスク軽減させるために心得たいことは何があるでしょうか?

水分摂取を忘れない

アルコール分解に水分は欠かせません

二日酔い予防のためにも、飲んだお酒の量以上の水を飲む、これを習慣にしたいものです。

おつまみも大事

空きっ腹にアルコールを入れるのは非常に危険です!

適度な食事と共にお酒を楽しみましょう。

揚げ物やマヨネーズを使ったポテトサラダなどは、油分が胃の粘膜を守ってくれます。
タコやイカ、貝類に豊富に含まれているタウリンや、ゴマに含まれるセサミンなどは肝臓の働きを助ける効果があります。

禁断のサプリメント活用!

最近は悪酔いを防ぐサプリメントなども登場していますが……あくまでも補助として、頼りすぎないよう注意したいですね。

サプリメント飲んでるから、ガンガン飲んでも大丈夫! というものではありません!

ちなみに私は、ここ一番の飲み過ぎてしまいそうな宴席では、ヘパリーゼで肝臓をドーピングし、アルコール分解時発生する有毒物質の無害化を期待してハイチオールCを併用します。
(使用を推奨するものではありません)

ほどほどが一番なんです

酒は良いのか悪いのか、飲むときは何に気を付ければよいのかを取り上げましたが、最終的には「ほどほどに」という結論に落ち着くようです。

各人の適量をわきまえ、楽しくお酒と付き合いたいものですね

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